金曜日, 5月 19, 2017

アメリカ株の貸株は時期尚早


株式投資ではSBI証券を利用しています。大学卒業後の20代前半くらいからかな。

仕事をおぼえることにがむしゃらで、周りに迷惑かけないよう、周りに追いつけるよう、仕事以外考える余裕があまりなかった。
そんな時期を通り過ぎて、少し時間に余裕ができた時に作った口座がSBI証券で何も考えずにそのまま利用継続。

貸株という制度は悪い面もあるけど日本株ではリスクリターンを考えて
なんかどんどん貸株料下がってくるな...
と思いつつも預けたまま放置している。
なので昔お世話になった数社の株は持ち続けているけど私の名義にはなってないのかも。

日本株は観察しつつも継続として
SBIが昨年2016年にアメリカ株にも貸株という制度をはじめた。
ま、ほっとくよりもマシかな
程度の気持ちで貸株してた。

その後毎月貸株料が入ってくるわけです。
そのたびに
何この雀の涙?
という気持ちになり。
貸株料が0.01%が多いですが、完全にリスクとリターンが見合ってない。
のでこの仕組に期待するのは早すぎたのだなとすべて貸株解除しましたよ。

念の為補足
貸株のリスク=SBI証券が傾いた時には名義が自分でないので貸した株が戻ってこない。
つまり、対象の株の変動リスク以外にも証券会社のリスクも考慮する必要あり。

月曜日, 5月 08, 2017

ローマ亡き後の地中海世界 海賊、そして海軍



ローマ亡き後の地中海世界1: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界1: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界2: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界2: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界3: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界3: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)
ローマ亡き後の地中海世界4: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)

ローマ亡き後の地中海世界 海賊、そして海軍 読了

中世と呼ばれる時代もあまり知らなかったので勉強になった。
そもそもいつからいつまでが中世と呼ぶべきなのかも知らなかったし。

全4巻読んだ感想としては

マホメッドが生まれイスラム教が生まれた570~630年くらいから、ず~~~っと争い続けているorz...
これについては、無宗教もしくは八百万の神を信じる多神教の日本人からすると
同じ神を信じているのになぜ?
と思うかもしれないけど、信じる神が同じでも教義が異なると
あいつらはオレの信じる神を曲解している、ほんとけしからん連中だ
となる。
これはイスラムvsキリストだけでなく、イスラム同士でもキリスト同士でも争い続ける

パクス・ロマーナがなくなってからは北アフリカからの海賊に常に荒らされて発展が止まっていたのが中世

もしこういう争いがなく、戦争は経済戦争だけだったら今頃人類はもっと高みにのぼれていただろう
神とは罪深い方ですね^^

イタリアは、誤解を恐れずにいうと、都市化&日本でいう京都化してしまったため中世に入ると
・権威はあっても権力はない
・戦争はコストが高いのでできない、必要なら傭兵でよい
・手を汚すのは自分たちでないほうがよい
・戦争するくらいなら、工業や商業や芸術や、に力を割くべき
・各地方、各都市がバラバラに地方国家、都市国家を作りまとまらない
などの理由と
イタリアの地形をみると細長いので海岸線が長く、攻められ放題だとわかる。

特に南イタリアは攻められ放題
なんでこんな不便なところに街つくるんだろう?
とか
なんでこんな不便な街のつくりにするんだろう?
と思うような街が多いけど、海側に作ってしまったら海賊に攻められ放題のため、不便なところに街をつくらざるを得ず、
アマルフィのような元海洋国家も街の道路を補足して攻められにくく、迷路のようにしていざという時に逃げたり敵を
閉じ込めやすいようにつくられてある。

アマルフィ、ピサ、ジェノヴァのような海洋国家はあったけど、北アフリカの海賊から攻められやすい順に力を落としていった。
最後に残ったのがヴェネツィア。
イタリアはヴェネツィア以外すべてスペインなりフランスなりの支配下に入ってしまっていてヴェネツィアのみが独立国として
存在感を持ち続ける。
他の都市は、もともと沼のようななにもないところから生まれたヴェネツィアが独立を維持しているのに自分たちが
支配下に入ってしまっているのが複雑な気持ちを持つ。

日本はヴェネツィアを目指すべきだと思う。
人口は少なくても我が道を行き商業で存在感を持ち続け、情報を重視し他国から一目置かれ続ける。

封建領主の生まれではないが、頭脳と手を使っての技能ならば自信はある、と考える人々が集まってできたのが
ヴェネツィアやフィレンツェに代表されるような都市国家。
生産性が非常に高く、10万の人口で1000万の人口を持つフランスやスペインやトルコに匹敵する経済力をもっていた。
フィレンツェの銀行の融資がなければフランス王もイギリス王も戦争ができなかったし、ヴェネツィアやジェノヴァの
海上輸送力がなければ同様に戦争ができなかった。

16世紀前半では
トルコ(エジプト、北アフリカを除き) 1600万人
フランス王国 1600万人
スペイン王国 800万人
ポルトガル王国 100万人
イギリス王国 300万人
ドイツ 1000万人
イタリア(ヴェネツィアを除く) 1100万人
ヴェネツィア共和国 本国だけなら20万人 イタリア北東部の属領加えて145万人
この人口比で各国と対等だった

都市国家だからこそ個々の市民の能力が最大限に発揮され経済から文化に至るまであらゆる面での反映がイタリアにあった。
だからこそ「量」で勝負する領土型の中央集権国家という時代の波に飲まれて、フランス領やスペイン領(またはスペイン王=
ドイツ王だった時代のドイツ領)になってしまっていった。

ヴェネツィアは地中海の東と西を相手に商業をするのに最適任だったのは
領土欲がなく、宗教にとらわれず、継続性を最重要視していたことによる。
ヴェネツィア共和国の経済政策は常に、相手にももうけさせることと、約束を守ることの2つを通しての、継続性を重視することで一貫していた。

アドリア海沿岸の国々も制覇するのではなく、その国々の人に職を与え共存する道を選んだ。
ローマ人は「寛容/クレメンティア」と呼んだ。
寛容と聴くと強者が弱者に対して「施し」を与えることのように聴こえる。
が、古代のローマ人にとっての寛容はそのような情緒的感情ではなく、共生していかなければならない相手にも得意分野で力を発揮させることで
その人の存在理由を確認させ、それを基盤に運命共同化にもっていこうとする、冷徹な支配哲学だった。
事実を集め冷静に捉えるからこそ、友好通商条約をトルコと結んでいる間も常にトルコを仮想敵国ナンバーワンとして油断することなく、
実力ナンバーワンの大使(兼スパイ)を常にトルコに送り込んでいた。

近代スパイはヴェネツィアから始まったと言われ、イギリスもアメリカも国として参考にしていたヴェネツィアは豊富な情報網を冷徹に判断していった。

圧巻はスペイン王兼神聖ローマ帝国皇帝のカルロスに勝てないフランスが、カルロス憎しの感情で内密にトルコと通商条約でなく軍事同盟を結ぼうとした時。
フランスから使者がトルコに向けて発った瞬間にヴェネツィアは把握し、現在の北イタリアのスペイン領、まだヴェネツィア領に入る前に暗殺してしまう。
ヴェネツィアは「他国領で起きた事件なので何も発言することはない」で済ませる。
人口の少ないヴェネツィアにとってはスペインとフランスが争っていたほうが都合がよく、大使一行全員を殺さずにフランス王の元に報告するように計算し
冷徹に実行する。自分の利害に関係のないことは決して感情では動かされない。
トルコとは争わないようにガラス玉を扱うように慎重に関係を築くも、いざ戦争を仕掛けられればレパントの海戦のようにほぼ一国でトルコ海軍を倒す。
トルコは「確かに船も人もなくなったけどいくらでも生産できる。ヒゲそられたみたいなもんで一時的にみっともないけどすぐに復活するよ」
と威嚇してみせたがレパント以降は一気に勢いをなくしていき、時代は大西洋が中心となっていく。

中世当時のヴェネツィアは産前と輝く華麗で豪華なヨーロッパの宝石だった。
華やかなのは街だけでなく、そこに住む人々、特に女たちも生を謳歌していた。
ヴェネツィア共和国では他国の元首を主賓にして元首公邸で催される舞踏会の花は、統治者階級に属する貴族の女たちで
ヨーロッパの女の流行はこのヴェネツィアから発していた。

地中海世界を中心とするヨーロッパの歴史の勉強になった
と言おうとしたらいつの間にかヴェネツィア絶賛になっていた。

ローマ人の物語 でローマ帝国は滅んじゃったけどその後どうなるの? という方には強くおすすめ。

月曜日, 3月 27, 2017

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡



わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉
わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈2〉
わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈2〉

わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈3〉
わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈3〉

マキアヴェッリというと、大学時代に授業と本で勉強したもののつまらなくて
なんでこの人が後世に評価されてるんだろう、人は小難しいことを読んでる自分に酔いたいのかな?
という印象しかなかった

今読むと、昔読んでおもしろくないのは無理もないとわかる
時代背景も何もわからず読んでもおもしろいわけがない

本作わが友マキアヴェッリは、、おもしろい
おもしろいというか、ヨーロッパの中ではイタリア好きな自分としては
イタリアしっかりしてくれ><
と歯がゆく思いながら読んだ。

特に

ローマ法王っている?
すべてに原因があるとは言わないけど、宗教心の薄い日本人としても疑問だし、欧米の多くの人も思っているのではないか。
日本も天皇家が今は善良な方々だけど歴史をさかのぼれば天皇や上皇が同様に問題を問題を起こしていた例も多くあるから人の国のことはとやかく言えないけど。

フィレンツェにとってはメディチ家っているの?
金融の街フィレンツェにとってメディチ家は僭主制で裏の実力者として存在、
コシモ・デ・メディチやロレンツォ・デ・メディチのように実力のある人もいたけど多くがフィレンツェにとっては悪影響。
ピエロ・デ・メディチはフランスにびびってしまい戦わずして開城し混乱の数年を招くし。

1527年の「ローマ略奪」は最たるもの
メディチ家出身の法王クレメンテがスペイン=神聖ローマ帝国にびびってしまい、勝てたであろう戦もせずに無抵抗のままローマまでの行軍を許し数ヶ月に渡る略奪破壊行為がされる。

他の地方と比較すると
ん?ローマってあんまり美しくない?
という印象を受けるのだけど、まさに「ローマ略奪」により歴史的価値のあるものが8割方破壊されてしまったことが原因。
第2次大戦のような大規模な近代戦ですら、フィレンツェの歴史的価値あるものは攻撃対象から外され、そのおかげであの調和の取れた町並みが今でも見れるのでローマが破壊されていなければどのような世界がみれたのだろうと残念。。

結果、イタリアの最強国ヴェネツィア以外のイタリア半島ほとんどが結局はスペイン=神聖ローマ帝国領となってしまう。
フィレンツェも例外ではなく、スペイン王=神聖ローマ帝国皇帝のカルロスと手を組んだメディチ家が復帰して縁戚関係も結びフィレンツェ共和国は滅亡、ルネサンスの終焉、以後君主制になっていく。

当時はイタリアに比べたら他が田舎で、都市化したイタリアにとっては戦争ができなくなっていた。
戦争で農工商の人たちが取られたら経済が成り立たないしペイしない、自然傭兵が主流となっていくものの、、
傭兵とはビジネスだからなるべく自分の商品を傷つけないようにパフォーマンスとしてしか戦争はしない、もし危なくなったら郷土でも家族でもないものを守るという気持ちもない。
この点からマキアヴェッリは正当な暴力装置を持たなければ大国にいいように飲み込まれる、と力説し実際に動き回りフィレンツェ軍を作れるもクーデターが起こりメディチ家に潰され、すべての職をクビになる。

時代が都市国家型の、「通商ができることが最大目的」という時代から、領土侵略型の時代に移っていった。

主役は
神聖ローマ帝国兼スペイン王のカルロス
16歳でスペイン王、当時スペイン領だったナポリとシチリアも手にし、19歳で神聖ローマ帝国皇帝、スペイン王としては自動的に当時大変な勢いで植民地化しつつあった新大陸の支配者にもなる
フランソワ一世
21歳でフランス王
ヘンリー八世
18歳で英国王
スレイマン大帝
26歳でトルコの専制君主に即位
共通点が、いずれも即位時に若く、相当に英邁で、少しの無理をする必要もなく、絶対君主の地位を占めた。

イタリアはチェーザレ・ボルジアを恐れ潰してしまったけど、結局イタリアが他国から侵略されないためには彼を利用することが最後のチャンスだった。

強大な力を持つスペイン=神聖ローマ帝国のハプスブルク家はもともとスイスの一豪族だったのが
戦争は他家にやらせておけ
という家訓の元、姻戚を武器にヨーロッパ中に勢力を広めていく。
最後は領土が広大になりすぎて統治できなくなり分割していくという古代ローマ帝国のようになる。


マキアヴェッリは楽しい人であったし、何よりフィレンツェに対する愛国心に惚れる。
男にとって最大の幸福は国家のために尽くせること
という思想の元
前半生は、生まれが普通だったから権力は握れなかったが一人何役もこなす官僚トップの座で活躍し
クーデター後は物書きとして過ごしながらもなんとか登用してくれるように活動し続け、最後はボロボロになりながらもフィレンツェの選挙に出る。

自分ではメディチ家と親しくないので当選すると思っていたが、自分を登用してくれるようにメディチ家に頼み続けていたことや、メディチ家からフィレンツェ史の執筆依頼をされていたことから、メディチ憎しの市民から親しいと思われ選ばれず。
失意のもと自殺ではないかとも思える薬の摂取過多で亡くなる。

金曜日, 3月 17, 2017

コンスタンティノープルの陥落、ロードス島攻防記、レパントの海戦



コンスタンティノープルの陥落
コンスタンティノープルの陥落

ロードス島攻防記
ロードス島攻防記

レパントの海戦
レパントの海戦


この3冊のシリーズも全巻いつも同様に序盤つまらなすぎてどうしようと思いましたが終わってみれば面白いのでおすすめです

どれもあまり知識のなかったトルコ帝国vs地中海の各国家という内容

*コンスタンティノープルの陥落

東ローマ帝国として長年栄えたビザンチン帝国vs若い国として勢いづいてきたトルコ
東がモンゴル帝国とか強いので消去法で西に領土拡大していく

19歳で帝位についたマホメッド二世、21歳の時に不落のコンスタンティノープルを16万の軍勢で攻める
守る側は圧倒的無勢

原始的ではあるものの時代を変えつつあった大砲+圧倒的陸軍の数の差
奴隷のトルコ軍が攻城をしているときにも構わず大砲を撃ち続ける

一番の盛り上がりはマホメッド二世の
「街は、もはやわれわれのものだ!」
ビザンチン帝国の終焉と新興国トルコの台頭


*ロードス島攻防記

聖ヨハネ騎士団とかあまり興味がなかったので序盤つまらなかった
でも中盤あたりからおもしろくこれも勉強になった

トルコの専制君主スレイマンが28歳の時にロードス島の聖ヨハネ騎士団の居城を攻めた攻防期
これも堅い城であるもののトルコは圧倒的陸軍の数で攻める攻める
最後は圧倒的数の差でスレイマンが降伏を勧める
条件としては劣勢では悪くない
財産をすべて持っていって良いから城を明け渡し出ていくこと
もし残りたいなら市民が入れば数年税金なども免除するし宗教も自由
スレイマンは去る者全員に対して、トルコ帝国内通行の安全と自由を保証した

もうこの条件を飲まざるをえなかった聖ヨハネ騎士団とスレイマンの対面が一番の盛り上がり
スレイマン
「わたしは、勝った。だが、それなのに、あなたとあなたの配下のような勇敢で義に厚い人人を、その棲家から追いださなくてはならないようになってしまった事態に、心からの悲しみを感じないではいられない」
聖ヨハネ騎士団
「彼こそ、まことの騎士である」
聖ヨハネ騎士団は流れ流れて独立国マルタ共和国となり現在に至る


*レパントの海戦
これはヴェネツィアを中心とした西ヨーロッパvsトルコ帝国
西ヨーロッパといっても中心は、勢いのある新興国スペインと、都市国家ヴェネツィアの経済力&海軍力、あとちょっとはローマ法王やイタリア各都市国家

ヴェネツィアは地中海を商圏とすることで生きてきたのでトルコとの関係は非常に重要で通商が途切れてしまうと死活問題となる。
翻って他国はヴェネツィアほど困っていないのでさほど戦争に真剣でない。
スペイン王も弟を派遣するものの、トルコとは戦わずにアフリカを攻めるように含ませるなどまったく統一感がない。
ただトルコは海軍も得意ではないしスルタン自らが出征していないのでここでも悲壮感はない。

結局レパントの海戦ではなんとかキリスト連合が勝つものの、、スペインは以後再戦を先延ばしにする。

ヴェネツィアはエコノミック・アニマル的なので当時の多くの国からは好かれてはいなかった
が、もうスペインもあてにならない以上、不利な条件でもトルコと和を結び通商を復活することを選ぶ
ヴェネツィアとしては選択肢の一つだが他の国から見るとビジネスしか考えになく異教徒よりも信じられん、と思われヴェニスの商人のような思いをもたれる。

レパントで勝ったもののヴェネツィアはトルコとの交渉では苦戦する
オスマン帝国第11代皇帝セリム2世時代の大宰相ソコルル・メフメト・パシャがベネチアの大使マルカントニオ・バルバロに言った有名な言葉
「あなた方は、我々がこの不幸をどのように乗り切ったのかを見に来たのだろう。
しかし、我々の心とあなた方の心との間ににある違いにお気づきいただきたい。
キプロス島をあなた方から勝ち取り、あなた方の腕を切り取った。
あなた方はと言えば、レパントを勝ち取り、我々のひげを切り落とした。
切られた腕は再び生えてはこないが、切られたひげはさらに頑丈になって生えてくる。」
軍人に使える人口は西洋諸国に比べ桁違いなのでいくらでも投入できるし船だって人を投入して作ればよいだけ、現に作ってる、と。

この戦いが象徴となり
地中海は世界の中心ではなくなり大西洋などの大航海時代となる
自然、ヴェネツィアのビジネスも影響力が落ちていく
トルコは大帝国から徐々に勢いが弱まっていく

一番の盛り上がりはレパントでの壮絶な戦いとその後のコンスタンティノープル駐在ヴェネツィア大使のバルバロの元老院での帰還報告演説
「国家の安定と永続は、軍事力によるものばかりではない。
他国が我々をどう思っているかの評価と、他国に対する毅然とした態度によることが多いものである。
ここ数年、トルコ人は、我々ベネツィアが、結局は妥協に逃げるということを察知していた。
 それは、我々の彼等への態度が、礼を尽くすという外交上の必要以上に、卑屈であったからである。
ベネツィアは、トルコの弱点を指摘することを控え、ベネツィアの有利を明示することを怠った。
結果として、トルコ人本来の傲慢と尊大と横柄にとどめをかけることができなくなり、彼らを、不合理な情熱に駆けることになってしまったのである。」

いろいろと考えさせられる。
ヴェネツィアは愛国心も強い人が多く一人ひとりが優秀な人が揃うけど、英雄が生まれにくい、いい意味でも悪い意味でも堅牢な制度がある。
そのため長い時代を通じて国家の軌道修正がしにくく最後はナポレオンに攻められヴェネツィア帝国は終焉する。

水曜日, 2月 22, 2017

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷




チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷
チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

おもしろいです

以前からチェーザレ・ボルジアという人物に興味があったので読了

途中まではつまらずどうしてくれようと思った。
この本を読む前に
海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年シリーズ
をすべて読んだものの途中
ヴェネツィア好きの自分だから読むだけでそうじゃなけりゃこりゃ投げ出すわ、長いし
行ったことあるから情景が浮かんだり楽しいだけで、次行くときの予習と思って読むだけで、こりゃきついわ
と思いながら読んでいたのでそのパターンかと思っていたら途中からぐいぐいおもしろくなった。

もともと軍勢を持たない中から、絡まった糸を少しずつほぐすかのような交渉/政治術で一大勢力をもつ
運命の女神が見放さなければイタリア統一、もしかしたらその後の西ヨーロッパ統一もいいところまでいけたんじゃないか

こういうボロボロになりながらも狂犬のように努力していく男、私は好きです。

チェーザレ・ボルジアとマキァヴェッリやミケランジェロとかとの交流や
この時代のイタリア、およびヴェネツィア、ローマ、法王、フィレンツェ、ナポリ、さらにはスペインやフランスや神聖ローマ帝国との関係も学べて楽しいです。

これがどこまで史実かは置いておいて、海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年シリーズのように一つの国を追うよりも人物に光を当てて歴史を読むほうがおもしろくわかりやすいと感じた。

歴史を意味するhistoryの語源はhis storyなのだから(ドヤ顔)

月曜日, 11月 28, 2016

たった4年! 学生大家から純資産6億円を築いた私の投資法 借りて増やす技術




たった4年! 学生大家から純資産6億円を築いた私の投資法 借りて増やす技術
たった4年! 学生大家から純資産6億円を築いた私の投資法 借りて増やす技術

不動産投資の本は何冊も読んだけど今まで実行できずにいる。
ワンルームとかから始めるとよいとこういった本には書いてあるのだけど、手間は同じで空室リスクが高くなるから中古アパート一棟にすべきかとか。。
他にもやはり気になるのは
・未払いで居座られたときなど信頼できる管理会社見つけないと手間がめんどうそう、時間資産も大事だしね
・信用取引としてレバレッジ効かせないと意味ないけど取得物件が悪くて歯車狂うと軌道修正ができない
・まずは都心以外、そのうち都心も鋭角的に人口減少となるので地価は下がらざるを得ないのでは?と思っている
・いくら価格の不整合があると言っても売るときと買う時に10%手数料がかかるのはやはり手出ししづらい
などの理由で結局REITでいいんじゃないか?と思ってしまう。

そんな中で著者の石渡さんはとてもうまく立ち回り2016年売り抜けて現金化されている。

キャッシュフローがプラスだからよい、という投資の時代は終わった。
いくらインカムゲインが入っても、出口=売る時に損失を出してはトータルでその投資は失敗だったということ。
買値=利回りにこだわって土地値よりも安く買う。
特に中古アパートとかは取り壊し費用なども含めると土地以下で買えることも多い。
中古マンションが悪いというわけではなく、建物価値が高ければそれだけ減価償却を多くまたは長く取れるのでそれだけ経営は安定する。

ローン特約や瑕疵担保をあえてつけないことにより安く買う

相場観を養うには毎日売り物件を見るしかない
http://toushi.homes.co.jp/owner/

http://www.kenbiya.com
http://www.rakumachi.jp
http://toushi-athome.jp
http://toushi.homes.co.jp
http://realestate.yahoo.co.jp

売却意欲の高い売り主から買う
引渡し時期に1ヶ月以上先が書いて有る場合は既存ローンを片付けてから新居に移ろうとしている。
二重ローンを避けるため安値で買える可能性がある。
2月3月も期限が決まっているので同様。

金曜日, 9月 16, 2016

ミネルヴィニの成長株投資法 ━━高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ (ウィザードブックシリーズ)


ミネルヴィニの成長株投資法 ━━高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ (ウィザードブックシリーズ)
ミネルヴィニの成長株投資法 ━━高い先導株を買い、より高値で売り抜けろ

良著でした。
まえがきにもあるように12章13章が参考になりました。
株式投資をする方は読んで損はないと思いました。

損切りの重要さ。
多くの書籍で触れられていますがこの本を読むまでは、ふーん、程度でした。
イレギュラーケースを除いて機械的にできるようになりそうです。
多くの投資家はコツコツドカンでやられていて、損失を例えば10%やそれ以下に固定することでトータルのマイナスがプラスになる。
著者は買う前にはすでにいくらで損切りするか決めている。
利益はコントロール出来ないけど損失はコントロールできる。
しがみつくから足を引っ張るのであって手放してしまえば引っ張られない。
株なんて上がるか下がるかの50%なのだから損失を例えば6%に固定して利益を平均12%出せればおのずと勝てる。

人気のある高い株を買ってねばってより高値で売る、という考え。

参考になりました。

日曜日, 8月 07, 2016

決断なき原爆投下



決断なき原爆投下をみた。

多くの日本人が
トルーマン=嫌い、感じ悪い、原爆投下を最終決定した
という印象だと思うがその考えに一石を投じると思われる。

今までも本番組のような
決断できないどちらかというと無能なトルーマン
という図は書物で読んだ記憶があるが、責任者の肉声インタビューとして聞くと改めて考えさせられたのでメモ。


ルーズベルト指揮のもと、グローヴス准将を責任者として原爆の計画は進められていた。
合計17発程度の原爆を投下予定だった。

ここでルーズベルトが急死。
後任のトルーマンは軍が原発計画を出してくるものの決断ができず。

軍としては最大の効果を上げるため一番京都に落としたかった。
軍と大統領の間に入る文官であるスティムソン陸軍長官は京都への投下を断固反対。
理由としては大きく2点
・京都に二度訪れお気に入りの都市であった
・原爆投下前から無差別爆撃をしている、ここで軍事施設でない都市に原爆投下で莫大な被害がでると
- 国際社会からアメリカはヒトラー以上の残虐行為をしていると非難される
- 戦争終結後、日本が反米国家になる
後者はトルーマンも同意。

番組ではグローヴス准将の未公開の肉声インタビューも公開される。
日本は降伏寸前である。
22億ドルかけた国家プロジェクト、戦争が終わる前に早く成果を出さなければ=原爆を落とさなければ問題となる。

そのため、トルーマンとスティムソンから承認を得るため
広島は軍事都市である
と説得する資料を作成し急ぎ計画を立てる。

長崎に投下される直前に、軍事都市ではなかったとトルーマンに知らされる。
トルーマンは
女子供を無差別に殺す原爆投下はこれ以上許可しない
と急ぎ通達した。
軍部の誘導を見抜けなかった責任は私にある、と。

戦後トルーマンの言動は
原爆投下は正しかった、多くのアメリカ人と日本人の生命を救った
と一変する。


たしかにそれぞれの立場に立つと

グローヴス准将であれば
「何の愛着もない異国のモンキーが何万数十万死のうと、投下せずに戦後責任を取らされるよりまし
スターリングラードとかもっと死んでるし」
と考えるような人もその時代ならいそう。
今の時代なら異常者だけど当時の軍というのはどこの国も異常になってしまっていたのだから単純な批判はできない。

トルーマンであれば
私は反対した、とか謝罪
という立場をもしとれば、投下自体を否定することになるので、国内からも国外からも非難轟々になる

戦勝国アメリカを裁判にかけられる国や機関はないが、もしそうなったとしたら
今でも続くナチスのユダヤ問題のように国際問題になっていただろう。
それをひっくり返す論法が有名な
原爆投下は正しかった、多くのアメリカ人と日本人の生命を救った
となる。
事実トルーマンは死ぬまでその立場を取り続ける。


私個人の感想で言えば
オバマ大統領が広島訪問で謝罪があるかないかが世界中の話題になったとのことだけど
多くの日本人が「ようきなすった」と思うだけで謝罪の有無には興味が無いのでは?と思う。
むしろ、謝罪なんてされたら
先の戦争について謝罪しろ
とかいうどこかのプロ市民と同列に扱われるから何もなくてよかったと日本人なら思っているのでは?

そもそも過去の戦争の背景、経緯、事実、を学ぶことは重要だけど、謝罪に意味があると考えているのはどこかのプロ市民だけ。
そうじゃなかったら欧州が起源のオリンピックなんて南米でできないし、キリスト教なんてもってのほかになっちゃう。


やはり結論としては負けた国は何も言えないということ。
ハワイ開戦とミッドウェー海戦で失敗したのがすべて。
勝てるはずはないが、指導者次第で引き分けにはできた可能性はあったので。
それこそ泥沼化する前に「多くの日本人とアメリカ人の命を救」えたはず。

月曜日, 7月 11, 2016

昇降式スタンディングデスクを買おうとして買わなかった話



オフィスワークでデスクトップパソコンを使ったことがないのでわからないけど、市販の机はノートパソコンの作業には合っていない。

高さがあっていないと首の後ろの部分とか肩甲骨に負担がかかり続ける。

日本の机に限ったことではなく海外でもそういう悩みを見かけるので、机の構造&ノートパソコンの組み合わせでしょうがないものなんだろう

・スタンディングで使うのも興味があった
・が、スタンディングのいだと挫折する可能性もある

ことを考えると、昇降式がいいのでは?と思い調べた。

まず電動だと一番よさそうなのは
http://www.okamura.co.jp/product/desk_table/swift/
これだったけど、自分にあってるかどうかわからないで13~15万はやなので却下

次に悩んだのがこれ

IKEA(イケア) SKARSTA デスク 昇降式, ホワイト (79084964)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B018SDAA46/


IKEA(イケア) SKARSTA デスク 昇降式, ホワイト (99084963)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B018SDB6YY/

異なるのはサイズで
前者 長さ: 120 cm 幅: 70 cm 高さ(最小): 70 cm 高さ(最大): 120 cm 最大荷重: 50 kg
後者 長さ: 160 cm 幅: 80 cm 高さ(最小): 70 cm 高さ(最大): 120 cm 最大荷重: 50 kg
昔から広いデスクがデキる男っぽくて憧れていたので後者にだいぶ揺らいだ。

IKEAなので東京なら立川か埼玉の三郷かな、とか、購入代行業者頼むならどこだろうとか

調べているうちにめんどくさくなってきてorz
いい歳になってきたので体にいいモノであれば全然買うんですが、それと同じくらい梱包やら自分にあってなかった時の粗大ごみやらを出したくない。

待てよと、キーボードとかシンセサイザーを置く

HERCULES シングルX キーボードスタンド KS110B
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EEHNRK/

が余ってたなと。これで自分にあってるかだけでも試してみよう、と。

試してみたらいい感じです。全然安定している。

今はたまたま在庫の関係で?上記が高くなっているので、似たような
HERCULES ダブルX キーボードスタンド KS120B
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000EEJJLI/
であれば5000円。
もし自分にあってなくても男性なら無精で掛けたりしないパンツやシャツをかけるのにも使えます(笑)
それ以外にも変わった使い方としては、キーボードやシンセサイザーも置けますよ(笑)

私のウィッシュリストに長居している
KORG シンセサイザー KROSS-61 エントリーパック
を買えばおまけでついてくる(笑)

デスク周りであと検討中は、昔挫折した外部ディスプレイ
以前、Apple純正の
Apple Thunderbolt Display MC914J/A [27インチ]
も
アップル Thunderbolt Display(27インチフラットパネル) MC914J/B
も使っていたのですが、自分に合わなくて手放してしまいました。つないだり外したりが面倒だったorz

Appleの後継機を期待していましたがしばらく出ないということでこれも調べました。
今のところ
iiyama ディスプレイ モニター XB2783HSU-B1 27インチ/フルHD/HDMI端子付
がよさげ。
90度回転できたりね。

自称スタンディングデスク(笑)に慣れたらまた検討します。

月曜日, 2月 15, 2016

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる


英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

どこかで勧められていたので買ってみました。

一通り読んでみて改めてわかりましたが、私は英語の発音の勉強には向いてない。
深くなってくると
わからんよ、、習うより慣れろでしょ。。
とか思ってしまう。

発音が特別得意ではないけど、地の英語力でなんとか強引にごまかしている感じかな。
受験勉強とはありがたいもんですね。
あとは同僚に外国人が多くいた昔の職場にも感謝。

私がなまけものなだけで、この本自体は発音の本としてはいいと思います。
参考になったのは発音の箇所よりも
・ビートルズとか、洋楽聞いたほうがいいよ
・洋書読んだほうがいいよ
ということ

洋楽はマセガキだったので中学時代ぐらいから聞いていた。
ビートルズはマニアじゃないけどたぶん全曲歌詞を知ってて歌える。
洋書は何冊も読んで途中で挫折したしね(苦笑)

洋楽は好き嫌いあるので好きなのを聞けばいいと思うけど、洋書のオススメは参考になった。

大人向けのペーパーバック入門書でオススメ
Tuesdays With Morrie: An Old Man, a Young Man, and Life's Greatest Lesson

児童書でオススメ
Holes

ハリー・ポッターシリーズは人気だけど意外と難易度高い

Sidney Sheldonあたりがオススメ
Master of the Game
もし分厚いようであれば
The Best Laid Plans

Nicholas Sparks
Message in a Bottle

The Wedding


Danielle Steel
The Ghost

Ken Follett
Eye of the Needle
Hornet Flight
Jackdaws

John Grisham
The Client



John Grisham

ペーパーバックの読み方は
最初のうちは辞書を引いたほうがいい
意味がわからないと内容分からないし
途中から引く頻度が少なくなっていくはず!
とのこと


水曜日, 2月 10, 2016

政治の起源 上 人類以前からフランス革命まで


政治の起源 上 人類以前からフランス革命まで
政治の起源 上 人類以前からフランス革命まで

こういうアカデミック系は自分には向いてないとさんざんわかってるのに
勧められて勉強になりそうと思い手にとってしまう。

案の定、読んで数ページで
これは自分が読むべき本ではない。。
と悟る。

歴史も政治も経済も好きなので一回り大きくなれるかと期待して一応一通り読んだがだいぶ速読だった。

上巻は中国、インド、イスラム圏あたりに触れられていて
中国は秦という政治体制を持って世界中のどこよりもずっと早く近代国家に近いものを築いていた。
なぜ中国で起こったか、なぜ他の地域では起こらなかったか、を分析している。

私がアカデミックな本に向いてないだけでいい本なんだろう。
たぶん下巻は読まない。

☆

月曜日, 12月 07, 2015

Bootstrapファーストガイド―CSS設計の手間を大幅に削減!


Bootstrapファーストガイド―CSS設計の手間を大幅に削減!
Bootstrapファーストガイド―CSS設計の手間を大幅に削減!

bootstrapについての本はあまり数がないので手に取る
おおよそは
公式
http://getbootstrap.com/
をさぐっていくとわかるので、ああこういうことができるんだな程度に見ると良いかも

最終章のカスタマイズについては参考になった
次サービス作る時には参考にする

*カスタマイズ
・公式
http://getbootstrap.com/customize/

・Bootstrap Live Customizer
http://bootstrap-live-customizer.com/

・Lavish
http://www.lavishbootstrap.com/


*テンプレート
・Bootswatch
https://bootswatch.com/

・Start Bootstrap
http://startbootstrap.com/

月曜日, 11月 30, 2015

チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド


チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド (WEB+DB PRESS plus)
チーム開発実践入門 ~共同作業を円滑に行うツール・メソッド


これも評価が高かったので手にとって読んでみる。
今困っているわけではないけど、よりベターな方法があるかなと。

目次
第1章:チーム開発とは
第2章:チーム開発で起きる問題
第3章:バージョン管理
第4章:チケット管理
第5章:CI(継続的インテグレーション)
第6章:デプロイの自動化(継続的デリバリー)
第7章:リグレッションテスト

読んでみた感想としては、目次からもわかるけどちょっと盛り込み過ぎかな。
何も知らない人が方向性を知るのにはいいかもしれない。

金曜日, 11月 27, 2015

はじめての事業計画のつくり方


はじめての事業計画のつくり方 (21世紀スキル)
はじめての事業計画のつくり方 (21世紀スキル)

評価が高かったので手にとって読んでみる。
プレゼンが多い人にはオススメかな。
あとは事業の素因数分解の仕方など。

水曜日, 11月 25, 2015

昭和史 戦後篇 1945-1989


昭和史 戦後篇 1945-1989
昭和史 戦後篇 1945-1989


前編の昭和史 1926-1945
に続いて後編も読了。

前編が1926-1945なのにたいし
後編は1945-1989と書いてあるけどおおよそ1960sあたりまでしか書かれていない。
そのわりには前編のほうが勉強になった、おもしろかった、とおもったのはおそらく
結末を知っている物語であっても前者のほうがハラハラとさせるからだろう。
後編はいい意味で経済が中心なので特定の何か誰かで変わるのではなく、人々の毎日で少しずつ変わっていくので。

なかでも心に残った箇所をいくつか

最後の陸軍大臣下村定 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E6%9D%91%E5%AE%9A のスピーチ
私は陸軍の最後にあたりまして、議会を通じてこの点につき、全国民諸君に衷心からお詫びを申し上げます。陸軍は解体を致します。 過去の罪責に対しまして私共は今後、事実をもってお詫び申し上げること、事実をもって罪をつぐなうことは出来ませぬ。まことに残念でありますが、どうか従来からの国民各位のご同情に訴えまして、この陸軍の過去における罪悪のために、ただいま齋藤君の御質問にもありましたように、純忠なる軍人の功績を抹消し去らないこと、ことに幾多戦没の英霊にたいして、深きご同情を賜らんことをこの際切にお願いいたします。

悪いところを認めた陸軍はそれらの発言のために現代ではすっかり悪玉論が定着し
ノーコメントの多かった海軍は陸軍に引っ張られたという論もあるので残念。
陸軍、海軍、どちらも先入観なく歴史は客観的にみないと、と思っているので。


あとは天皇周り
私個人としては平均的な日本人程度に天皇は好き

昭和天皇というと、多くのことを経験したおじいちゃん、というイメージがあったけど、この書を読むと若い頃からやはり常人ではなかった。

GHQが来た際に、マッカーサーのもとにすぐに会いにいき
私は、国民が戦争遂行にあたって政治、軍事両面で行ったすべての決定と行動に対する全責任を負う者として、私自身をあなたの代表する諸国の決裁にゆだねるためにおたずねした。

あなたが私をどのようにしようともかまわない。私はそれを受け入れる。私を絞首刑にしてもかまわない。しかし、私は戦争を望んだことはなかった。なぜならば、私は戦争に勝てるとは思わなかったからだ。私は軍部に不信感をもっていた。そして私は戦争にならないように出来る限りのことをした。

天皇は握手が終ると、開戦通告の前に真珠湾を攻撃したのは、まったく自分の意図ではなく、東条のトリックにかけられたからである。しかし、それがゆえに責任を回避しようとするつもりはない。天皇は、日本国民の指導者として、臣民のとったあらゆる行動に責任を持つつもりだと述べた
#天皇は東条とこの時は思っているが実際は外務省のミスと思われる。

敗戦に至った戦争の、いろいろの責任が追及されているが、責任はすべて私にある。文武百官は、私の任命する所だから、彼等には責任はない。
私の一身は、どうなろうと構わない。私はあなたにお委せする。この上は、どうか国民が生活に困らぬよう、連合国の援助をお願いしたい」
と、その足しにして欲しいと、皇室がもつ有価証券などの財産類を持参していた。

私は、日本の戦争遂行に伴ういかなることにも、また事件にも全責任をとります。また私は日本の名においてなされたすべての軍事指揮官、軍人および政治家の行為に対しても直接に責任を負います。自分自身の運命について貴下の判断が如何様のものであろうとも、それは自分には問題ではない。構わずに総ての事を進めていただきたい。私は全責任を負います」
そしてマッカーサーは、このご発言に関する感想をこう述べたという。
「私は、これを聞いて、興奮の余り、陛下にキスしようとした位です。もし国の罪をあがのうことが出来れば進んで絞首台に上がることを申し出るという、この日本の元首に対する占領軍の司令官としての私の尊敬の念は、その後ますます高まるばかりでした

それまで天皇というものを知らなかった海外の世論は
「一人間を神のように扱うなんて気味の悪い独裁以外のなにものでもない、
天皇は処刑、国外追放、終身刑、あやつり人形のどれか。
とりあえず裁判にはかけるべし」
という声がほぼすべてだった。
マッカーサーもたぶん似たような考えだったのではないか。
が、天皇が訪ねてきた時には迎えもしなかったマッカーサーが、話すうちにこの人は違う、と最後は送り届け、のち「この人を裁判にかけるなどとんでもない」と本国アメリカにも送る。
20歳以上も年下の昭和天皇に対して
「この人はホンモノの王者だ」
と感じたのだと思う、最後にはマッカーサーは「何事であれ、私にご用命願います」とまで申し出るようになる。

この天皇とマッカーサーの対談は10回にも及んだが、口外しないという約束を天皇はもちろん生涯守ったがマッカーサーはことあるごとにしゃべった、おかげである程度会談の内容が類推できる。

飲み物のエピソードも興味深い。
天皇は会談中に出されたコーヒーに一切口をつけなかった。
もてなされたものに手をつけないのは礼を失するので、天皇のように社交的に訓練された人があえてそうしたのは
敗者とはいえわが道をゆく毅然たる姿
敗けても勝者の水は飲まず
王者の矜持、誇り
にマッカーサーはずいぶん驚き、二回目の会談からは水も出なくなった。
お互い飲まず食わずでしゃべるので、マッカーサーは終わった途端にがぶのみして一息ついた、というエピソード。
ま、これは、マッカーサーが3/4ぐらいしゃべって、天皇は1/4ぐらいしかしゃべらなそうだから当然か。


最後に昭和天皇の沖縄感
沖縄にいく予定を立てていたのに倒れてしまった。
病気の床で
「残念だ。沖縄には行かなければならなかった。」
と何度もいう。
多くの人はこの発言を
「第二次世界大戦の最後の激戦地として、本土決戦までの時間稼ぎのために兵隊ばかりでなく、市民、学生、女学生まで抵抗したことが心にずっと大きく引っかかっている」
と理解していた。

それも間違いではないが
GHQが日本に基地を置く時に
「日本本土どこでも」と考えていた政府に対して
「それはまずい」と、国防を担うため沖縄を長期にわたって貸与するというフィクションをアメリカにメッセージとして与えたこともある。

どういうことかというと
「昭和天皇は、太平洋戦争においてもそうなんですが、子供のときから軍人として非常に鍛えられた方ですので、戦術的・戦略的な目は特に秀でております。ですから、これから中国共産党も出てくる、北朝鮮も共産国になる、ソ連もどんどんアジアへ進出しているといったときに、アジアをその進出から守るためには、グアム、沖縄、台湾の弧を描いた線で守るほうがいいと戦略的にわかっていた」

太平洋戦争とは早くいうと、地図上でコンパスを回して
戦闘機の制空権の範囲内でそこに基地をつくり、さらにその基地からコンパスを回して
要するに制空権内で基地から基地へカエル跳び作戦をする、という戦いだった。
つぎの戦争もまたしかり。
つまり北海道にでかい基地を作ってもかんじんのところに届かない。
それを天皇はわかっていたので沖縄を貸し与えた。
マッカーサーもGHQも天皇の慧眼/戦略眼を認め、では沖縄がいい、となった。

それもアメリカから言い出すと他の連合国のカドが立つから日本から言い出した、という形にするためメッセージとして与えた。

そのことも含め、昭和天皇は亡くなるまで
「申しわけないことをした。沖縄の人たちには長い苦痛を与えたままであった、それをお詫びに行かなければいけなかった。」
と。
太平洋戦争の沖縄決戦だけでなく、戦後の複雑な事情を含めての発言だったと思われる。

天皇は象徴になったというけれど、まさに日本男子の目指すべき象徴だと感じた :)

金曜日, 10月 09, 2015

家賃を2割下げる方法



家賃を2割下げる方法
こういうライフハック系というか生活の知恵的な本は好きで切羽詰まってなくても手にとって読む
不動産についての勉強にもなるしね

前半部分はくどいというか一般論でこの半分の半分ぐらいでよかった
オフィスなどの商業用賃料は地価に比例して下がっているのに家賃相場は下がっていない
ネットで情報武装して交渉して下げるべし、当然の権利だよ
それでも下げれないなら引っ越せばいいじゃん
東京23区以外なら激安物件ごろごろしてるし、23区だって供給>需要なんだからいい物件いくらでもあるよ
最近は礼金なしやフリーレントもあるから初期費用含めたって引っ越したほうがいい場合が多いんじゃない?
というのが著者の主張


後半部分は勉強になる良著
実際の賃下げ交渉のフローを紹介している
近隣の近い条件を調べ情報武装する
更新時期がベターだけどそうでなくてもいい
更新をした後でも、借地借家法で店子には家賃減額交渉をする権利がある
・土地建物に対する固定資産税などの税金の増減
・土地建物価格の上昇や低下、その他の経済事情の変動
・近隣にある同じような建物の家賃に比較して不相応
などが条件

もし貸主と
「◯年間は家賃の減額はしない」
という特約を交わしていても、借地借家法第32条1項で、そのような特約は無効になる。
供給>需要なので出られて困るのは貸主の方、なので強く交渉に当たること。
交渉のための例文も載っているので具体的にいくらにするべし、と記載する。20%ぐらいいくべし。

相手が一切応じない、または納得出来ない額でしか応じない場合、次は調停に移る
調停であれば申し立て手続きも費用も多くない、この記入見本もある。
手続きは
申立人と相手方の住所・氏名、家賃をいつからいくらにして欲しいか、不動産登記簿謄本、賃貸契約書コピーを添付して地元の簡易裁判所に提出
費用は印紙代と切手代の数千円程度
あとは数週間後の決まった日に相手方を呼び出してくれるのでその日に出頭するだけ
それでも正式な裁判所の手続きのため、調停で合意した内容は訴訟の判決と同じ効果を持つ
調停まで持ち込むと個人の貸主はそれだけで折れる可能性もある。
もし折れなくても調停委員は多くの場合店子の味方になる。

調停に出てこなかったり、貸主がかたくなに下げなければ、
「更新契約書にサインしない」
という手がある。
更新の契約書が送られてきても何もせず放置する。
更新契約書に判子を押さないと立ち退かされるのでは?と考えるのは誤解
「合意がないまま更新期限を迎えた時は、契約は従前の内容で自動更新される。
更新後はこれまで通りの家賃を払い続けなければならないが、更新手続きをしていないので更新料は払う必要が無い。
しかも、一度自動更新されると、それ以降は期間の定めのない契約とみなされ今後二度と更新料を払う必要がなくなる」
借地借家法第26条
これも店子有利の借地借家法で(そのぶん大多数の善良な店子にしわ寄せがいっているのだけど、、)
民法では契約期間過ぎれば契約終了となるが、賃貸契約で通常の商取引と同じにすると生活に著しい不都合が生じる恐れがある。
たとえば、貸主が
家賃2倍に上げるけどそれでも契約する?
とふっかけて来た場合などを防止する。
この場合2年でなく期間がなくなる「法定更新」となる。
現行の借地借家法では店子は家賃を払っている限りいつまでも居座ることが許されている。
そのとき更新料は払ってはいけない。
更新料は貸主が受け取るものではなく、管理会社が受け取るものなので、更新手続きが終わっていないのに不動産屋が更新手続きが終わっていないのに更新料だけを店子に請求してくることはまず考えられない。
契約書の提出を求められたら
「まだ家賃の減額についての話し合いが終わってない。
話し合いで合意できたらちゃんと契約書に判子押して提出する」
と伝える。
家賃の減額が認められるか、住み続ける限り更新料を払わなくて良くなるかのいずれか。

期間の定めのない契約へと変更になった場合、退去する3ヶ月前までに貸主に通告しなければいけなくなるのでその点は注意。

しかしいずれはこのようなノウハウ自体が意味がなくなるかも知れない。
供給>需要
なので大家たちの競争が激しく、礼金は消えつつあり、次に消えるのは不動産屋の収益源である更新料。
フリーレントも広まっているのでシンプルに引っ越してしまったほうが安くていい部屋に住めるのではないか、と著者。

月曜日, 10月 05, 2015

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か



一エンジニアとしても、この時代にいるものとしても、知っておくべき分野かなと思い、AI/人工知能について読む

例えば将棋の世界
少し前までは
いつか人間がAIに負ける時が来るだろう
と言われていたのに、AIは加速度的に強くなりすでにプロ棋士を負かす
今までAIは過去のプロ棋士の対戦から学習させていたが、それではもうこれ以上強くなれない、ということで自分自身と対戦させ、その学習からさらに強くなっていく

3章では主導権をアメリカIT企業に握られて日本はどうなっていくのか、を予想
日本は工場での組み立てなど、単目的の産業ロボット分野では明らかに強い
ただサービスロボットと言われる、次世代のロボット(介護であったり人ができない原発内での作業であったり)ではソフトの戦いになり、
そこはROS(ロボット技術のためのOS)含めアメリカ企業とアメリカの大学や研究機関に多くを握られてしまっている。
この分野でも主役はやはりグーグルを中心とした西海岸勢。
キープレイヤーとなり得たのに今では部品屋になってしまっているパソコンやスマホのようにアメリカに主要なところは握られて産業ロボットもサービスロボットに取って代わられると著者は予想
その時のインパクトはパソコンやスマホの比ではなく、日本の全産業がグーグルに握られる、と警鐘する

最後の4章でも考えさせられる
バッハとかショパンの曲を大量にインプットさせることにより、バッハやショパンっぽい曲をAIが作れる
観衆に聞かせてどれが心打たれたかと聞いてもまったく違いがない
しかし事前に
これは人が作りました
これはAIが作りました
とネタばらしすると、人が作った曲には心打たれ拍手するものの、AIが作ったと聞くとなんともいえない困惑に包まれる
人間の何処かに、最後に残された砦のクリエイティブな世界では機械には負けたくない、という意識があるからだろう
でもスティーブ・ジョブズなども言うように、クリエイティブというのは過去の経験や知識、多分野からの組み合わせにすぎない
作曲家だって無から曲を作るわけではなく、子供の頃から聞いてきた音楽の影響を多分に受ける
機械にはクリエイティブができないというのはこの点からもおかしい、と

水曜日, 9月 30, 2015

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件



昔どこかで勧められていたので読んでみたが読みだしてちょっとで放り出した。
思ってたよりアカデミック過ぎて、著者のところを見てみたら、最近堀江さんと揉めてしょうもないこと言ってた人だった

例えば
http://copy.hatenablog.com/entry/2014/07/27/130642
これとか参照
買って損したorz...

堀江さんが感情的になってるだけで、佐山さんという方の
よくない例に固有名詞を出さない方がいい
というのはそのとおりだと思う。
一方
ビジネスモデルじゃないだろう。
というのは、これをみた時からなんだかなぁと残念感だった。

そんな方の本を買ってしまうとは私も最近適当になってきたな。。

月曜日, 9月 28, 2015

昭和史 1926-1945



東條英機 歴史の証言を先に読み勉強になったけど、思想や考えが偏るのは嫌だったので次に逆の考えをしている本書を読んで見る。


張作霖爆殺と統帥権干犯からはじまり、上巻ではポツダム宣言受諾までていねいに説明をしてくれる良書だと思う。
君側の奸
栄光ある孤立
天皇機関説
二・二六事件
盧溝橋事件
南京事件
ノモンハン
米英との対立
三国同盟
南進論
ミッドウェー
ガダルカナル、インパール、サイパン
東京大空襲、沖縄本島決戦
ポツダム宣言、終戦
などが学べる

ただ全体としては国内の記述が多く、自虐過ぎるんじゃないかと感じた。
明治の人たちと比べてこの昭和時代の人たちは受身的だから、ロシア革命や反共やコミンテルンのような海外の動きがないとわかりにくいと思う。
・明治に比べて昭和初期が受身的
・40年周期で建設と破壊を繰り返していると著者がいう
のは一緒の原因だろう。
維新の混乱が収まって組織が硬直化すると年功序列になり閉塞感が充満する。

海外事情がなければそりゃ軍隊が調子に乗って勝手に暴走した、になるけども。
あとはさらっと流してるけど、開戦はハル・ノートや石油などの日本への輸出禁止、日本の財産差し押さえ、日本人排斥運動、近衛文麿の異常さ、などに触れないとわかりにくい。
輸出禁止は事実上の宣戦布告なわけだし、それ以上のハル・ノートは要約すると
「アジア人wwどうせ白人にひれ伏すしww」
というとんでもない内容。

日本に
満州など進出したところから即時すべて撤退しろ
というのは、アメリカに
中央と西部など進出したところから即時すべて撤退しろ
というのに等しい。
満州はもともと中国のものではなかったのだから(自分たちの領土じゃないからこっからこないで!というために万里の長城があるわけだし)、そういう意味だと、イギリスに
アメリカから即時撤退してモンゴロイド/ネイティブアメリカンに返せ
ともいえるか。

そんなことを進出先からならわかるが他国から言われるというのは???だし、譲って飲んだとしても即時撤退なんてできるわけがないのがアメリカのイラクやアフガンでもわかる。
すでに移住している100万の日本人や朝鮮人はどうなるのか?あまりに無責任。。
結局「中国に返した」おかげでもともといた満州族は絶滅したわけだし。
アメリカ人には伝わらないだろうけど、アメリカが戦争をしたくてたまらない、手を出させたくてたまらない、というのは明らか。

あとよく
軍が暴走した
というけど、満州とか最前線の極限状態に置かれたら何が起こるかわからない容易に想像できる。
最前線から離れて
陸軍がww海軍がwww
というのは簡単だけど、日本人居住者たちが反日活動の被害者になっている状況に対して幣原外交的な何もできない状況の悔しさは共感できる。事実責任を感じて切腹した人もいた。
最前線に置かれた極限状態も知らずに、安全な場所から
馬鹿な陸軍がw
馬鹿な海軍がw
とか安易にはいえない。

あと、どさくさに紛れて満州に攻め込んだソ連との一週間戦争は、攻め込んだのまではお互い言い分があるにしても無抵抗な一般市民含む戦死8万人、57万4538人が捕虜としてシベリアに送られ強制労働させられ、無事引き上げてきた人たち47万2942人。
死者の数でいうと
ニューギニア15万7000人
フィリピン47万6800人
沖縄10万9600人、市民10万人
本土空襲29万9485人
に匹敵する犠牲者の数になり許せん。
という、私はひーだかひーひーだかひーひーひーだかわからないぐらいの遠縁がロシアなんですがw

ひっかかるところはあるものの、全体を学べていい本だと思います。

金曜日, 9月 25, 2015

「明治」という国家〈上〉



明治から昭和にかけてを知りたい人向けに、
「明治」という国家〈下〉
「昭和」という国家
と合わせどうかな、と思い手に取る、思ったより薄くて気軽に読める。

小栗忠順と勝海舟を明治国家誕生の父たちとして、薩長はかれら父たちの基礎工事の上に乗っかっただけと語る

小栗が建てた横須賀ドックがなければ日本海軍はもっと貧弱だったし、日露戦争の勝利などありえなかった
あのドックが出来上がった上は、たとえ幕府が亡んでも"土蔵付き売家"という名誉をのこすでしょう。
と粋なことを語る。
小栗は勝と異なり、徳川国家のために身を粉にして働いた。
両親が病気で死のうとしているとき、もうだめだと思っても、看病のかぎりをつくすではないか。自分がやっているのはそれだ
と語る。

逆賊になるのをおそれて逃げ出した徳川慶喜に
東海道を行軍する薩長軍を半ばで海軍兵力で分断する
と進言するも受け入れられない。
幕末〜明治の数少ない名将の大村益次郎もこれを聞いて、実現されていればかなり状況が違っていただろう、と振り返る。

徳川家とその家臣団に対して罪を問わなかった新政府が、小栗に対してはおそろしくて斬ってしまう。
坂本龍馬とかもそうだけど、小栗忠順も明治に生きていたらどういう構想をしたんだろうと楽しみな人。

他にも土佐についてや長州について、薩摩について、佐賀について、などをわかりやすく解説。
津田出、滝廉太郎、西園寺公望、ハリー・パークス、副島種臣、など、司馬さんの他の小説ではあまり触れられてない人にもスポットをあてる。

ただ、司馬さんは時代を語るより人物を語るほうが向いているようでおもしろい。
人に勧められるかどうかは下巻と昭和を読んで判断する。