月曜日, 4月 16, 2012

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術




評価が高いだけあって良著だった
内容的にはすぐ読めるし、繰り返し読んでもいいかも


アメリカでスモールビジネス向けの経営コンサルティングを行なっている著者


起業家の多くが
事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は充分
という致命的な仮定をたて起業をする


しかし、
事業をはじめる人はみな
起業家
マネジャー
職人
の三重人格が必要
筆者の経験ではバランスよくこれらを備えている人はあまりいない
(職人が強くなってしまうことが多い)
職人で成功企業というと思い出されるのがホンダだけど、ホンダは本田さんだけでは当然あそこまでの成功はなく、藤沢さんあってのものだと感じる。


起業家の仕事は
疑問を持つこと
想像すること
夢を見ること
ありとあらゆる可能性を追求すること
過去でなく未来をみること
なぜ、という問いかけをいつも続けること
どんな事業を始めればいいのだろう、など
どれも現場から見ると、時に頼もしく、時に疎ましく思えるようなことがら。


幼年期=職人の時代
すべての仕事をこなそうとする職人的経営者
事業の幼年期は オーナー=事業
成長すると、仕事量が限界を超えはじめ、たくさんの仕事を仕上げることが不可能であることに気づく
いちばん大切な戦略的な仕事、起業家的な仕事がおろそかになる
起業の目的は仕事から解放されて他の人たちのために仕事をつくりだしてあげること
個人の限界を超えようとすること
そうすることで、これまで満たされていなかった市場のニーズを満たす何かをつくりだすことができる


青年期=人が増えてくる
新しく入ってくる従業員の仕事に満足できず
ええい、貸せ。自分がやったほうがずっとうまくできるじゃないか!
となる
人が増えて管理しきれなくなり縮小する経営者も多い


ここからさらに成長するには、幼少期/青年期から歴史に残る企業のように行動することが必要


IBMのトム・ワトソンの言葉

・成功の理由1
事業を立ち上げてまもないころから、はっきりと会社の将来像を描いていたこと
私の夢やビジョンが実現したときに会社がどんな姿になっているのかを想像する能力をもっていたこと

・成功の理由2
会社の将来像を決めた後に、そのような会社ならどんな行動をするべきだろうか?と自分に問いかけてみたこと
これを繰り返すことで、私は成長を遂げた後のIBMがどのような企業活動をしているのかについて、明確なイメージをつくりあげていった

・成功の理由3
IBMを立ち上げてまもないころから、優良企業の経営者と同じくらいの厳しい基準をもって経営しようと心がけたこと
なぜなら、平凡な会社が突然、優良企業のように変身することはない
優良企業になるためには、会社を立ち上げた時から、優良企業のようなしっかりとした経営をしなければならない
IBMでは創業当初から、将来のIBM像という青写真があった
毎日毎日、その将来像に近づけるような努力を重ねてきた
毎日仕事が終わったときには、その作業がどれくらい進んだのかを確認していた
現在の姿と現在あるべき姿にギャップがある場合には、そのギャップを埋める仕事が翌日の課題となった


起業家は
「事業が成功するにはどうするべきか?」
を考え、
職人は
「何の仕事をするべきか?」
を考えている

起業家にとって会社とは顧客に価値を提供する場所である。
その結果利益がもたらされる。
職人にとって、会社とは自己満足のために好きな仕事をする場所である。
その結果として収入がもたらされる。

起業家は最初に会社の将来像を確立した上で、それに近づくために、現状を変えようとする。
一方で職人は不確実な将来に不安を抱きながらも、現状が維持されることをただ願うばかりである

起業家はまず事業の全体像を考えてから、それを構成する部品を考える。
職人は事業を構成する部品を考えることから始まり、最後に全体像が作られる。

起業家は全体を見渡すような視点をもっている。
職人の視点は細部にこだわりがちである

起業家は自分の描く将来像から逆算して現在の自分の姿を決める。
職人は現在の自分を基準に将来の自分の姿を決めてしまう


起業家は、特定の顧客層がもっているニーズを敏感に感じ取り、斬新な方法で満たそうとする
起業家は、事業を商品だとみなしている。
つまり自分の会社は競合商品と一緒の棚に並べられているので、隣の商品よりも顧客の目を引きつけなければならない。
起業家にとって大切なことはその事業で何を提供するかではなく、どのようにして提供するかである。
商品よりもそれを提供する方法が重要。
「はっきりとした顧客像を持たない限りはどんな事業でも成功しない」

反対に職人は自分にできることを決めた上で、その売り方を考える。
結果として誰にどのようにして売るのかという問題は深く考えられない。


著者は
フランチャイズを勧めるわけではないが、フランチャイズをそうでない事業を比べると成功率が高く参考にしたほうが良い
という
フランチャイズは、マクドナルドを事実上起こしたレイ・クロックからはじまる

コカ・コーラやGMのように多くの会社が有名な商品を一定エリアで取り扱う権利を売買するという仕組みは古い

が、レイ・クロックは発想を転換し、事業を行うために必要な仕組み全体を販売した=事業のパッケージ化
何を売るか、ではなく、どのように売るか、に注目した好例
ハンバーガーが商品ではなく、マクドナルドという店自体が彼らの商品
レイ・クロックにとって一番大切な顧客とは、消費者ではなくフランチャイジーだった
事業という商品をフランチャイジーに提供した


フランチャイズの成功確率が高いのは事業の試作モデルがあるから
事業の試作モデルに必要なルール
顧客、従業員、取引先、金融機関に対して、いつも期待以上の価値を提供する
必要最低限の能力でもうまく経営できる
秩序だてて組織が運営される
従業員の仕事内容はすべてマニュアルに記載されている
顧客に対して安定した商品・サービスが提供される

これは私の経験でもある
優秀な企業の従業員が必ずしも優秀に見えないのは、システムがうまく機能しているから


◯事業発展プログラム
・ルール1 イノベーション
例えば小売店の販売員と顧客との会話
「いらっしゃいませ、なにかお探しですか?」
と声をかける代わりに
「いらっしゃいませ、以前にご来店いただいたことはありますか?」
と声をかける。
はいの場合
「それはよかった。私どもは以前ご来店いただいた方に特別のプログラムをご用意しております。少々お話させていただいてもよろしいでしょうか?」
いいえの場合
「それはよかった。私どもははじめてご来店いただいた方に特別のプログラムをご用意しております。少々お話させていただいてもよろしいでしょうか?」
筆者の顧問先でたちまち売上が10~16%伸びた

・ルール2 数値化
例えば来店客への声のかけ方を少し変えることで売上が16%増加したことがわかるには
言葉を変える前の来店客数
言葉を変える前の購買客数と商品単価
言葉を変えてからの来店客数
言葉を変えてからの購買客数と商品単価
を把握していなければならない


事業を立ち上げる前に、または明日の仕事を始める前に、次の質問を自分に問いかける
私はどんな人生を過ごしたいと思っているのか
私は毎日どんな生活を送りたいのか
人生の中で何を大切にしたいのか
自分以外の、家族、友達、仕事仲間、顧客、従業員、地域社会、とどのように関わって行きたいのか
自分以外の人たちからどう思われたいのか
二年後、十年後、二十年後、そして人生が終わりに近づいた時に何をしていたいのか
精神的な充実、金銭的な豊かさ、健康的な生活、知識の探求、技術の習得、人間関係の豊かさ、人生の中で何を追求したいのか
夢を実現するためにはどれぐらいのお金が必要か

事業は人生の目標ではなく、それを達成するための手段にすぎない
人生の目標をはっきりともつことができて、次にようやく事業について考える作業が始まる
人生の目標を達成するために、事業がどんな役割を果たすのかを考えなければならない、それが事業の戦略的目標


・組織図を書く
自分たちの会社をきっちりとした会社として考えることからとりかかる、自分たちを株主と考えることにする
人生の目標を書く

株主であり従業員である自分を認識する
会社の潜在的な顧客数、競合状況、市場の成長性などの統計資料を分析

事業領域を決め組織図に必要な役職を決めていく
例えば
社長、営業担当副社長、製造担当副社長、財務担当副社長
営業担当副社長のもとに、マーケティング部長と営業部長の2つのポストを置く
製造担当副社長のもとに、製造部長、施設管理部長、顧客サービス部長の3つのポストを置く
財務担当副社長のもとに、財務部長と経理部長の2つのポストを置く
そして役職契約書を会社との間で交わす


★★★★★

月曜日, 4月 09, 2012

さくらのVPS

最近いくつかのサービスでさくらのVPSを利用しています。値段にしては驚くほどスペックは悪くなく、とてもいいです。


火曜日, 4月 03, 2012

ハゲタカ(上)



言わずと知れた
と言ってもいいぐらい、ハゲタカ、という用語を一般化させた有名本
NHKドラマとか映画にもなったしね

ドラマも見てないし本も読んでないので期待せずに手にとって見る

もちろんおもしろいですが、
一世を風靡(という言い方も古いのかな)した書籍だから読んでみるか
という方にはおすすめ

マイルス・デイビスの死刑台のエレベーターは聞いてみたくなった