水曜日, 1月 30, 2013

ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)



ガリア戦記終わり
塩野さんのカエサルについて書いているのを見ると10代の少女がいれあげてるアイドルについて話すみたいな感じ
戦況がうまくいかないときはだいたい部下が勝手に判断したから
ガリア戦記も終わりかけで部族が一致団結してカエサルを攻めてくるけどそれも大逆転して戦役を終わらせます、と

属州に派遣されていると任期期間はローマに戻ってきてはいけないから、母親が死んだ時もポンペイウスに嫁に出した娘が死んだ時もローマに帰れず
任期が終わった後に執政官としてのキャリアをはじめれるように「カエサルの長い手」を使ってローマでの政治工作をするカエサル
一方、以前カエサルが執政官だった時にやりたい放題され
ユリウスとカエサルが執政官だった年
とまで言われ、次に執政官になったら圧倒的な人気と軍隊を持っているパワーで元老院が骨抜きにされてしまうと恐れている人たちは次々に反対工作をしていく
カエサルになんとか汚名を着せて軍隊を取り上げ、この時には元老院派として担がれているポンペイウスのみにもたせようとする

以前マリウスとスッラの内戦を見て、親子が兄弟が親戚が殺しあうのを見てきて自分自身もリストに載っていたカエサルは、ルビコンを渡るという法を犯すことよりも、内戦が起こしうる憎悪や遺恨を思って躊躇していた

カエサルの精鋭達は
この内戦が終われば、カエサルは名誉を回復し、われわれは自由を回復する
と言った

カエサルは幕僚たちに
ここを越えれば、人間世界の悲惨。越えなければ、我が破滅
進もう、神々の待つところへ、我らを侮辱した敵の待つところへ、賽は投げられた!
と大声で叫ぶ

任期を前にカエサルは法を犯してルビコンを渡るのか??
#と誰でも結果を知ってる疑問形で終わらせてみる

月曜日, 1月 28, 2013

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)



この巻はカエサルがはじめたのかガリアやゲルマンがはじめたのか今となってはわからないガリア戦記が主
ただしフランスやドイツ、イギリスまでもが
この時代にカエサルに攻められてローマ化されたからおれんところは文明化が早かった
と攻められた早さを競うようになるという現代では面白い現象がw

後に完全に元老院と対立するわけだけど、ローマの法律では専守防衛となっているもののガリア戦役については微妙なところなので=どっちが先に手を出したなんてあとづけなので、民衆は興奮しているものの元老院は冷静に見ていた。

はじめて読んだ時は戦争の描写もおもしろく読んだけど2回めなので流し読みしました
どこまで塩野さんのひいきがはいってるかわかんないのでね

ただカエサル氏のビジネスの箇所は繰り返しになるけど自分も見習わねば
主人公ブレヒト
彼はもともとカエサルの債権者として付き合い始めたのにいつのまにかカエサルの秘書のようになってしまった
その主人公の口を通じての総括
「あの人が金の問題で訪れた連中相手にどう対するかを眼にするたびに、
わたしの胸の内は敬意でいっぱいになるのだった。
それは、あの人が金というものに対してもっていた絶対的な優越感によるものだと思う。
 あの人は金に飢えていたのではない。
他人の金を自分のものにしてしまうつもりもなかった。
ただ単に、他人の金と、自分の金を区別しなかっただけなのだ。
あの人の振る舞いは、誰もがあの人を助けるために生まれてきたのだという前提から出発していた。
わたしはしばしば、金に対するあの人の超然とした態度が、債権者たちを不安にするよりも、
彼らにさえ伝染するさまをみて驚嘆したものだ。
そういうときのあの人は、かの有名なカエサルの泰然自若、そのものだった」

金曜日, 1月 25, 2013

ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)



この巻というよりもローマ人の物語の主役ともいえるユリウス・カエサル
ローマが生んだ唯一の天才
どの時代にどんな境遇で生まれても必ずやリーダーとなる男
などなど
塩野さんの文面を見ても
ね、ね、わかってもらえる?カエサルってこんなにすごいの、ね、ね、すごいでしょ?
と言いたいのが伝わってくる
バイアスをかけずに読むのが大変なぐらいw

この間は生まれから青年期ぐらい
スキピオの母親とカエサルの母親はローマでも母親の鑑と言われているらしく、そのぐらいすごい母親だったんだろう
マリウスと血は繋がっていないものの妻がマリウスの娘?だかなんだかで、スッラから「処刑リストから外して欲しければ離縁しろ」と言われ、ポンペイウス含め誰もがそう言われれば離縁していたのにカエサルは拒否してオリエントに逃げる。

海賊に捕まった時も天文学的な身代金を要求されたのにそれを笑って自分の身代金を吊り上げ、身辺の自分の奴隷に集めさせて、その後開放された後に挙兵して海賊を捕まえたりとか。

成人後のカエサルについて塩野さんが注目するのが金と女

カエサルほどもててかつ女に恨まれないという才能はすごいと絶賛
カエサルの借金の原因の一つが女性へのプレゼント
ただし気に入られるためのプレゼントではなく喜んでもらうためのプレゼントであり女はその違いはすぐにかぎわけるとのこと
元老院議員の妻の半分はカエサルと関係があったのではないかという話もあった
妻同伴の夜会の席か何かで愛人と会っても並の男はしらんふりをする。カエサルは妻には少し待ってと言い衆人が見守る中堂々と愛人に近づきその手をやさしく取って「どう、変わりない?」と。女は無視されたり無下にされた場合に傷つくものという塩野さんの言葉。こりゃ手が付けられんね。

借金については政治キャリアをはじめる前から膨大なものだった
膨大な読書家だったので本だったり、おしゃれだったり、女性へのプレゼントだったり、取り巻きとの豪遊だったり
ローマ一の金持ちクラッススが最大の債権者だったけど
金は多額になると借りてるほうが力が強くなり債権者は債務者の意向/目的を支援せざるを得なくなる
という点は納得
カエサルが属州に移るときも債権者が返してからにしろ!と囲んでいた時も、クラッススが保証をしてやりカエサルのキャリアを進ませた

カエサル氏のビジネス、というタイトルでカエサルの金に対する考察が面白い
カエサルは金について汚かったわけでも返さなかったわけでもない
ただ目的のためには人の金も自分の金も区別をしなかった
債権者たちが巻き込まれて彼の支援者になっていった
という点

内乱記でのエピソード
「大隊長や百人隊長たちから金を借り、それを兵士たち全員にボーナスとして与えた。
これは一石二鳥の効果をもたらした。指揮官たちは自分の金が無に帰さないためにもよく働いたし、総司令官の気前の良さに感激した兵士たちは全精神を投入して敢闘した」
債権者ににとって「大きすぎて潰せない」型のやっかいな債務者

現代に生きていたとしてもうまくアグレッシブに借金をしてどんどん自分のビジネスを築いていく人だろうな

水曜日, 1月 23, 2013

ローマ人の物語 (7) ― 勝者の混迷(下)



ここでの主役はマリウスとスッラ
スッラの若い頃はマリウスの部下だった
関係ないけどスッラってなんか響きがかっこいい気がする

マリウスは平民なのかどうかすらもわからない出
スッラは貴族だけどあまり裕福ではない没落貴族的な育ち
マリウスは民衆派
スッラはそれを押し戻そうとする元老院派
スッラは才能あふれる人であるものの、革命的な人ではなく元老院の寡頭制で今後もやっていけると思っていた
マリウスを滅ぼして皆が恐れる独裁官に就任するも
独裁はよくないからおいら隠居するね
と、若い妻を連れて隠居して数年後に死んだ

次に活躍するのはポンペイウス
その後次の主役であるカエサルに移っていく

月曜日, 1月 21, 2013

ローマ人の物語〈20〉悪名高き皇帝たち(4)



悪名高き皇帝たち(4)
はネロ
ティーンネイジャーの皇帝なんてむりだわー
だけどよきサポートがいた
でも母親の血を受け継いで、自分がやりたい、という正確だったので母親を始めサポートメンバーも次々に亡き者にしてしまう
そのうち
アウグストゥスの血を尊重してたけど、もうダメポ
という空気が流れ、帝国は混乱に陥っていく

ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上)



この巻の主役はグラックス兄弟
グラックス兄弟はスキピオが外祖父にあたる由緒ある家
元老院が仕切る寡頭制という制度に限界を感じて、何不自由ない家から市民を守るために護民官という役職についてローマの立て直しを図る兄
だけども法案を通すときの混乱で既得権を守ろうとする元老院側に殺される
10年近く経ち兄の遺志を継いだ弟も殺されローマはどんどん混乱に陥っていくの巻

金曜日, 1月 18, 2013

ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下)



ハンニバル戦記の下
ハンニバルは本当に執念の人
ローマ滅亡、という目的であり夢に向かってまさに自分の人生の全部をベットした
10年以上も極寒でも猛暑でも一兵卒と同じように地面に寝起きし、数万の人間と数千の馬の食料を常に確保し、ローマ連合をどうすれば解体できるかを生涯考えていた
ハンニバルの勝算は
ローマ連合を解体できれば勝てる
だったが、その誤算は、危機に直面してむしろローマ連合の結束は強まってしまったこと

ハンニバルの戦略をローマ側から見て経験し、一番の体現者となったスキピオが師匠であるまずはハンニバルの故郷スペインを攻め、次にカルタゴ本国でハンニバルを破りハンニバル戦争に終止符が打たれる

英雄を必要としないローマというシステムは、この国家的英雄に対してしばらくは元老院の第一人者として迎えるがその後、オリエントの戦での経費の使い道に疑いあり、というありもしない疑いをかけスキピオ裁判なんてものを起こしてしまう
スキピオはもう嫌になって隠居してしまう
墓だってローマにつくんないもんねー


スキピオのやったことを振り返ると、後の"ローマが生んだ唯一の天才"であるカエサルもおそらくスキピオをだいぶ参考にしたんだろうな、と感じられる
誰がなんと言おうとスキピオは天才で超ナイスガイだろうけど、それにさらに精神的なタフさを持ち合わせたのがカエサルなんだろうな
反対勢力は説得を試みるけどそれでもダメならすりつぶして飲み込んでやんよー
的な

水曜日, 1月 16, 2013

ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中)



第三巻は当分昔に書いてその後も読んではいたけど書かずに放置していた
整理のために今一度読んでいます
ポエニ戦役自体は三巻から始まっていたけど、タイトルのハンニバル戦記はここからはじまる
欧米圏の人がいやに
ハンニバル
という響きが嫌かというと、2000年以上経った今でも猟奇映画のタイトル?主人公?にも使うぐらい
悪い子はハンニバルに連れ去られちゃうぞ><
的な使い方をするらしい

ハンニバル戦記の主人公ハンニバル
もともとは肥沃な大国アフリカ/カルタゴの出身だったんだけど、子供の頃からスペインに渡る父ハミルカルが
一生をローマへの復讐に捧げると誓え、誓わないと捨てていくぞ
と教えられてきたので、彼にとっては人生の目的が打倒ローマだった

そして30歳も近くなった頃に、第一次ポエニ戦役の講和条約もあったので充分にローマを威嚇して
こちらから手を出したんじゃないぞ
というていを作った上で先にローマに手を出させ、その後ローマと闘いを始める
目をつぶって想像してみるとすごいんだけど、数万の人間と数千の馬と数十の象を連れて真冬のアルプスを超えさせた
途中であったガリア人たちも
自分の目的はローマだけだから
と買収したり傭兵したりしていく
アルプスを超えた時には3万数千になっていたというから一大事業

そこからは、他のカルタゴやエジプトと比べればまだまだ発展途上の新興国ローマに対して、現代でも戦術が研究されているハンニバルが戦の仕方を教えてやる、とばかりに勝って勝ちまくる

この後は制度疲弊して内部から壊れていくローマはあっても外敵から攻められてあわや、となることはないのでその意見で血沸き肉踊る傑作



月曜日, 1月 14, 2013

日本の歴史〈26〉よみがえる日本



この巻はシリーズの集大成として戦後日本について書いたものなんだけど、せっかく再版したんなら加筆修正すればいいのにね!
近現代について勉強したかったけど、古過ぎて実感なくてナナメ読みだった
またさようなら、私の中のアカデミック:)

金曜日, 1月 11, 2013

日本の歴史〈24〉ファシズムへの道



これもナナメ読み
最近の欧米エリートは歴史は古代とか中世とかの教養はないけど近現代は知っていて、今起きている現実に適切に発言ができる
とどこかに書いてあったので自分も日本の近代についてもっと知りたかったんだけどちょっとアカデミックすぎたみたい

水曜日, 1月 09, 2013

日本の歴史〈22〉大日本帝国の試煉


日本の歴史〈22〉大日本帝国の試煉 (中公文庫)
日本の歴史〈22〉大日本帝国の試煉

日清日露あたりが主なテーマの巻

日清では戦勝しながらも三国干渉で実質勝利を取り上げられ
国家の財布をひっくり返しても全く足りず、高橋是清などが奔走し諸外国から大量の借金をしてまで勝利した日露戦争では
ロシアは敗戦国ではない、だからいかなる不利な講和も結ばない
という態度で、さすがに交渉相手のウィッテは敗戦国として適度な線で結ぼうとしつつもロシア皇帝が
1ルーブルも払うつもりはない
なんならもう一度やるか?
という態度から日本はあきらめざるを得なくなる

国民は
明治政府の言うように一流国になるまで自分たちは貧乏でいい
と、生活に耐え続けてきたのに、日清日露の結果から一流国であるのに自分たちの暮らしは変わらず苦しい
そこでロシアとの交渉では賠償金を取れなかったということで
日比谷焼打事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%AF%94%E8%B0%B7%E7%84%BC%E6%89%93%E4%BA%8B%E4%BB%B6
にまで発展する
交渉にあたった小村寿太郎への非難は激しいものが予想され、Wikipediaにも
首相の桂と海相の山本権兵衛は小村を新橋駅に出迎え両脇を挟む様に歩き、爆弾等を浴びせられた場合は共に倒れる覚悟であったという。
とある。

日本中が国家というものに参加してから愛国心を持ちつつも
君死にたまふことなかれ
http://www.geocities.jp/the_longest_letter1920/kimi_shinitamou_koto_nakare.html
に代表されるような厭戦気分が蔓延していた

月曜日, 1月 07, 2013

日本の歴史21―近代国家の出発



この巻は明治維新の10~20年後ぐらい
翔ぶが如くやその他司馬遼太郎作品を読んで、大久保利通についてもっと知りたいと思っていたものの残念ながらこの巻ではその期待は果たせませぬ
大久保利通はもちろん多くの著作がありよく研究されている人だけど、功績や無私という偉大さも含め日本人からもっと(例えば日本人が好きな信長や秀吉、時代を下れば龍馬などと比較して)評価されていい人だと思っているけど評価されない理由はいたって簡単
大久保利通自身がどうだったかは知らないけど少なくともイメージは暗いから

天下を取った、という表現が正しいかわからないけど、低い生まれから幼馴染の西郷どんとそのまま新日本を創ってしまうというのはすごい
比較になるかはわからないものの生まれから地位がある程度あった家康より成功物語としてはすごいかも

おっと、本書と関係なくなってきた...

金曜日, 1月 04, 2013

世界の歴史〈21〉アメリカとフランスの革命



この巻はアメリカの独立について
オハイオ共同会社であったりマイアミ会社であったり、アメリカの州の多くの起源は会社であったこと
そりゃもともとが会社なんだから小さな政府を望むというか、リバタリアンが多くなるわなー
アメリカは生まれた時から銀の匙を加えてではなく、資本主義がそのまま国になったんだなぁ...

水曜日, 1月 02, 2013

日本の歴史〈15〉大名と百姓



この間は前回の丸ごと家康と打って変わって当時の市井の人たちの暮らしぶりを細かく書いてあります
ただ私はあまり興味を持てませんでした><残念!