金曜日, 7月 29, 2011

究極のテクニカル分析



昔105円で売っていたので手に取り整理のためにやっと読む

こういう系の本は自分の理論のためにチャートとかを選べるしなんだかなぁという感もあるものの参考になったこともある

相場自体が下に引っ張る力と上に引っ張る力の綱引きで、誰も将来なんてわからないけどその力の量がどちらに行きたがっているかというのはある程度の力学的なものはあってもおかしくはないかなと思う

ひげは相場における圧力、窓は相場における重力
ひげが現れたときは基本はそれに反発する方向、窓が現れら時は基本はそれに引き寄せられ埋めに行く方向に動く
ただし、そうならない時は基本に外れる大きな力が働いているので強く反対の方向に動く
連続ストップ高の銘柄を狙う

一目均衡表
ストキャスティクス
トレンドライン
移動平均線
MACD
RSI
ボリュームレシオ
中断保ち合い
転換点保ち合い
などは参考になるかも、という著者の意見

水曜日, 7月 27, 2011

1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!



副題にある
何を示し、どう褒め、どう叱るか!
をテーマとしたマネジメントの書籍
私も以前いいマネジャーになりたくて本書を手にとった

わかりやすい物語になっていて、グ□ービスの小難しそうなマネジメントとか読むよりもすっと入ってきて良いと思う
「気分のよい部下は、よい成果を生む」
がキー。
目標設定して、褒めてあげて、叱ってあげる。山本五十六につながるところもありますな。

ただ本読むよりひとりでも多くの部下と接することが自分の成長につながると思います

月曜日, 7月 25, 2011

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術



私が個別銘柄で痛い目を見すぎて嫌になってしまっただけで本書はいい本だと思います

http://stocks.e-kurage.com/syoseki1-b2_meigara.htm
でも入門書でこれ以上はない、と言ってます

内容は
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Euro/2562/buff/mb0.htm
このあたりを読めば何が書いてあるのかおおよそわかります

何かと言うとコカ・コーラの例が出てきてちょっと嫌になりますがこれほど投資の才能があれば楽しいでしょうね。。

金曜日, 7月 22, 2011

バリュー株で勝つための【図解】「決算書&企業価値」分析ドリル



これも以前投資をさかんに行っていた時期に読む、整理のため再読
http://www5f.biglobe.ne.jp/~dream3/drill.html
に補足

私は投資よりも仕事のほうが儲かるとようやくわかったので、、1年の半分は関心を持たずにおきます
関心持つ半年もETFとかで充分かな、、この本ぐらい研究して勝てるのであれば別だけどそんなに甘い世界ではないし
だったら本業に力を注いだほうが懸命
悪い本というのではなく、株で食べていくのではない素人にここまでの内容は要らないと思う

水曜日, 7月 20, 2011

仕事の思想―なぜ我々は働くのか



起業家に人気の高い田坂さんの書籍をはじめて手に取る

この方の経歴(原子力博士であったりシンクタンク出身であったり)から想像していたのとは異なりアツイなw
びっくりするぐらいアツイ。これは気温だけのせいじゃないはず。

まず、
「仕事の報酬は仕事である」「仕事の報酬は成長である」
という前提からスタートし、それを補足するエピソードが語られていく

仕事を「パンを得るための手段」と捉えること
それは、マズローの「欲求の五段階説」
・生存
・安全
・貴族
・尊敬
・自己実現
の生存や安全のみでの思想になっている。

それを本書では以下のタイトルを付け、欲求をかけあがっていくことを説いていく

◯思想
大学卒業後に高校教師を選んだ友人
その友人が選んだ高校は、落第/退学/非行/校内暴力の横行する高校だった
著者
「君もあの高校の悪い評判は聞いているだろう?
それなのになぜ君はあの学校を選んだのかい?」
友人1
「たしかにあの学校は、非行や校内暴力が問題になっている高校だよ。
だけど、そうした学校にこそ、本当の教育が必要なのではないだろうか?」

◯成長
商事会社へ就職を決めた大学時代のジャズが大好きだった友人
友人2
「俺は就職などしたくなかった
俺はジャズが好きだった
だから本当はジャズの道で生きていきたかったんだ
だけど、それでは飯を食っていけない
だから給料の良い会社に就職した
これからは、会社で働く俺が
ジャズを愛するもうひとりの俺を食わせていくんだ」
卒業後3年が経ち
著者
「仕事の調子はどうだい?」
友人2
「それが困ったことに
仕事が面白くなってきてしまったんだ」
それからさらに数年後、10年選手となった彼に再開
「最近になって、ようやく仕事が見えてくるようになったよ
振り返れば昔は見えていなかったことがたくさんあったんだな
いまは、仕事の裏の動きや仕事の先の展開が
いやになるほどよく見えるんだよ」
「いまは、仕事をどう仕掛ければよいかが、よくわかるようになったよ
だから、ようやく、やりたい仕事がやれるようになってきたんだ」
その時彼の口からはジャズの話は聞かれなかった
「仕事というものは、こころを込めてやれば、なんでも面白いよ」

◯目標
走り高飛び
という競技で、バーがなく
「できるだけ高く飛んでごらん」
と言われて、人は高く飛べるだろうか?
目標がなければ人は力を出すことができない。
また、バーが例えあったとしても
県大会優勝
歴史的な記録
という、バーの先にみえる「夢」がなければいけない
夢がなければ人は成長を続けられない

◯顧客
いい上司に恵まれなくても、企業人にはいい「鏡/鑑」がある
それは顧客である
いい顧客とは厳しい意見を言ってくれる顧客である
しかってくれる顧客である
それこそが優しい顧客である
厳しい顧客は、当たり障りの無い言葉は言うものの無言のままに去っていく顧客である

◯共感
顧客に共感してもらうのではない
まず自分が顧客に共感しなければいけない
顧客をファンにするのではない
顧客を操ろうとしてはいけない
自分が顧客のファンにならなければいけない

◯格闘
「物分かり」のよいマネジャーが増えている
「なるほど、なるほど」と部下の意見をよく聞くものの内心では異なる意見を持っている
部下と議論しない
部下と衝突することを無意識に恐れているから
部下と正面から向き合うことが苦痛だから
真剣に格闘し共に成長していくことが真の人間力向上につながる

◯地位
マネジャーになると、雑用が多い、責任だけ大きい、などの愚痴が多くなる
「責任が嫌ならマネジャーになどならなければよい」
マネジャーという職は「ノブレス・オブリージュ」
「義務と責任が人間を成長させてくれる」
「部下の職業人としての成長」に間接的に責任をもつことによって成長できる
いかに部下を指導するか?どうすれば部下を教育できるか?
それは「自分自身が成長すること、成長し続けること」以外にない
マネジャーが腹をくくり覚悟ができると、「ノブレス・オブリージュ」は
「高貴な人が覚悟する義務」
とは逆の
「義務を覚悟する人の高貴さ」
という新しい意味を獲得していく

◯友人、仲間
著者が新卒で入った会社で新入社員の集まりで夢を語った
著者
「この会社を環境技術に関するリーディングカンパニーにしよう」
「そのことを通じて、社会のエネルギー問題と環境問題の解決に貢献しよう」
友人3
「ビジョンや夢はいいと思う
しかし、私も含め、希望した職種でない部署に配属された人間も多くいることを忘れないでもらいたい」
彼の言うとおりであったが著者は
「たしかに言うとおりだ
私も希望と異なる配属をされたらしばらく落ち込む
が、それが受け入れなければならない現実なら自分はおちこんだままではいない
かならず人間がいる、かならず仲間がいる
人間がいて仲間がいるかぎり、きっとそこには夢がある
かならず夢がある
だから自分は、そこで夢を語り始める
その夢を花咲かせようとすると思う
また別のところに行かされたら
そこでも同じことをするとおもう
飛ばされたところで花を咲かせようとする
我々はタンポポだ
どこかに飛ばされたら、そこでまた、大きな花をさかせればよい」
その後友人とはともに仕事をしたが、本当に頼りになる仲間だった。
数年後に友人が出向することになった、その時のスピーチが
「これからタンポポのように花を咲かせに行きます」
だった。
友人は出向先でも高い評価を得て戻ってきた。
著者が退職し独立するときにも
「約束通り、新しい場所で、タンポポのように花を咲かせろよ」
と友人は言った。

◯未来
カッコーの巣の上で
という映画のエピソードから
夢は破れてもいい、それを恐れる必要はない
挑戦すること
たとえ自分がその夢を実現できなくても
いつか誰かがその夢を実現する
夢を描く私たちが恐れるべきものはそれは
「夢が破れる」ことではなく「力を尽くさぬ」こと
私たちに問われるものは、
「その夢を実現するために、力を尽くして歩んだか」
ということ

月曜日, 7月 18, 2011

株価4倍「割安成長株」で儲ける収益バリュー投資術



これも以前投資をさかんに行っていた時期に読む、整理のため再読

利益は信用ならんので3~5年程度のキャッシュフローで見る
EV/EBITDA < 5 なら割安
利益の予想はつけやすいか、独占企業か、競争力はあるか、他社の成長や競争を利用できるか
(バフェットの言う、バカでも経営できるか)

など

金曜日, 7月 15, 2011

超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術―たった週1時間の分析で年利15%を目指す!



以前バリュー投資に凝ったことがありその時に購入、よくまとまっているなとその後もとっておく

その後投資ではさんざん痛い目に会い、バリュー投資を否定するわけではないものの、
自分に投資が向いているか
金銭資産の投資よりいい歳になってきて来たので時間資産の投資をもっと真面目に考えたほうが我ながらいい
と思い、塩漬け以外はほっておいてしまっている

春山さんのエントリー
http://blog.livedoor.jp/okane_koneta/archives/51633712.html
も参考になった。
特別に才能があるわけじゃないヤツが損する可能性が高い期間にわざわざがんばってもお休みしたほうがましじゃね?
と考えるようになった

PERはなんだとかPBRはなんだ、とかは書いてもしょうがないので簡単に著者の考えをまとめると

・未来のPERなんて経営者にもわからんし信じないけど15倍以下は買わない
・PBRがバリュー投資の基本、現預金/有価証券/不動産の清算価値から割安を買い市場が適正価格を付けたら売る
キャッシュリッチ:積和不動産関西、フジックス
有価証券リッチ:豊田自動織機、京成電鉄
不動産リッチ:昭和飛行機工業、国際観光会館
が、本書執筆時点では典型的バリュー投資であった
・市場は多くの場合効率的だが、効率的でないこともたまにある。それを利用するのばバリュー投資。
・本書ではTOPIXの月平均として、1,2,3,4,5,6,11,12月がリターンが高いとしている
・SGターゲット・ジャパン・ファンドは著者も参考にし、機会があれば買いたいぐらい良いファンド
・つまらない地味銘柄に注目する、人気銘柄には手を出さない、ITなどハイテク銘柄には手を出さない

水曜日, 7月 13, 2011

非常識なSEOの常識



ぶらりと書店に立ち寄り立ち読み

キーワードの選定重要
http://adwords.google.co.jp/select/KeywordToolExternal

3C(Company/Competitor/Customer)視点からの分析
4P(Product/Price/Place/Promotion)視点からの分析

例えば
株式会社A社
製品・・・水漏れ修理サービス
価格・・・相場並
流通・・・東京都千代田区のみ対象
販売促進・・・ネットのみで注文可、即日修理、その他無料点検サービス
であれば
軸 × 心理 × 絶対条件 × その他
「水漏れ」 × 「修理」 × 「千代田区」 × 「即日」|「無料点検サービス」
結果キーワドは
「水漏れ 修理 千代田区 即日」「水漏れ 修理 千代田区 無料点検サービス」
の2キーワードとなる
そのキーワードに対して
に挿入されているか比較
自社と他社で site:domain で検索結果比較
自社と他社で link:domain で検索結果比較
sitemap.xml があるか

季節変動がある商品であれば
http://www.google.co.jp/trends
を使って傾向を押さえておく

AIDMA / AISAS
で考えるなら
トップページ : パソコン
第2階層 : パソコン メーカー名
第3階層 : パソコン メーカー名 各種型番一覧
第4階層 : パソコン メーカー名 型番詳細
のようにきれいに階層を作っていく

HTML内で重要なものとしては
言うまでもなくプレーンの文章内容
alt属性
ロゴリンク
各カテゴリートップヘのリンク
パンくず

外部サイト登録として
http://business.yahoo.co.jp/bizx/index.html
http://www.dmoz.org/World/Japanese
http://www.xlisting.co.jp/Service/Xrecommend/index.html
など有料であるが検討して良いかも

月曜日, 7月 11, 2011

モバイルSEO勝者のバイブル



モバイルのSEOはPCと何が違うのかと立ち読み
モバイルでないところのほうが参考になったかも

※モバイルユーザのキーワードパターン、とのことだがたぶんPCでもあまり変わらない
・人名
・商品名
・買い物
通販、送料無料、激安、口コミ、予約、オークション、中古、ユーズド、ダウンロード、サンプル、最安値、限定
・悩み
キャッシング、お金稼ぎ、ギャンブル
ダイエット、育毛、レーシック、美容
妊娠、避妊、恋愛
・地名
・時節
年賀状、初詣、バレンタインデー、ホワイトデー、卒業、花粉症
お花見、入学、就職、GW、母の日、父の日
海開き、花火大会、夏祭り、台風情報、お中元、高校野球
紅葉、クリスマス、スキー
・ケータイ関連
着うた、着メロ、着ボイス、デコメール、待ち受け画像、きせかえツール

被リンクを得るためにシナジーのあるサイトを買っても良いかもよ、とのこと
http://sitecatcher.net/
http://www.sitema.jp/
http://www.siteagent.co.jp/

金曜日, 7月 08, 2011

逆説の日本史〈5〉中世動乱編



◯第一章 源頼朝と北条一族編 鎌倉幕府の誕生I
源頼朝には奇跡が多い。
平治の乱で父源義朝が敗れたときに、14歳だった彼は本来殺されていたのに清盛の義母の温情で助けられ伊豆に流される。
そこで20年の間に武士がどんな不満をもっているのかを肌で感じる。
頼朝が平家に対抗するなど「富士山と背くらべをするようなものだ」と言われるような境遇から北条氏の力を得て関東を平定していく。
本書を通して読むと、確かに頼朝が一流の政治家であったことは疑いようがないが、それと同等かそれ以上に北条一族の野心が起こしたものだったと思われる。
実態として、北条時政は血統のよい頼朝を神輿として利用し関東の一大勢力を作り西は平家を睨む、という体制を企画し事実築いたものと思われる。

◯第二章 源義経と奥州藤原氏編 鎌倉幕府の誕生II
頼朝とは異なる境遇で、京の寺に入れられてからは奥州藤原氏を中心に各地を点々とする。
その時に盗賊のようなこともしつつ、後世の少人数での天才的な奇襲攻撃能力を身につけたのではないかと筆者は推測。
先に司馬遼太郎さんの義経大村益次郎についての本を読んでいたので軍事天才というのがどういうものか予備知識はあった。
三国志の諸葛孔明とかを想像するとなんだか派手なイメージがあるけれど
「大軍といえども大将を落とされるともろい」
という性質を利用し、最小かつ最短の労力でいかに効果を上げるのが戦の天才。
司馬さんは大村益次郎を評して、
戦の天才は一民族で千年に2,3人出れば多いほう、それが古くは義経であり明治維新時では大村益次郎である
と言う。
たしかに、戦自体がそう多い社会活動でもないし、それに対して才能のある人間がたまたまその職についているというのも確率的に低い。
義経のおかげで
奥州藤原氏が秀衡の不慮の死をきっかけとして義経の首を取り頼朝に差し出した。
が、それがなくても、いくら義経を大将として鎌倉に対抗したとしても「武士のための政治」という基本ポリシーがない以上、鎌倉には勝てなかったと筆者は想像する。

◯第三章 執権北条一族の陰謀編 鎌倉幕府の誕生III
◯第四章 悲劇の将軍たち編 武家政治の確立I
鎌倉幕府といえば、
1192作ろう鎌倉幕府
が有名だけど、当時の人は
「幕府はじめました」
なんて考えてもいないし、幕府なんて言葉もなかった。
ただ江戸幕府と区別するために、鎌倉にあった政権という意味で鎌倉幕府、という。
区別する必要がなければ、京都朝廷なんて言い方はしない。
どこにも「幕府」なんて表札はないし、分かりやすい言い方をすると武力をもった集団が京都から認められた、ということ。
ヤクザが公認となったみたいなもの。
頼朝の最後はあまり記憶になかったけど
諸説あるものの「落馬して命を落とす」
だそう。
筆者はその近辺の情報がなく、子供の頃から馬に慣れ親しんできた頼朝が落馬して死ぬのは極めて不自然
という状況から北条氏に暗殺されたのではないかと推理する。
晩年に娘を天皇家に入内させようとしたり、革命家頼朝といえども結局藤原氏と同じ道を歩み公家化することにより武士の統制が取れなくなるため。
ここで北条氏はしたたか。
関東を手中にする「血筋」ではないために頼朝の息子を二代続けて象徴将軍としてたてる。
ただし朝廷と近くなり過ぎ、関東武士を統率できる力量がなかったためともに暗殺される。
その後は朝廷から象徴将軍を借りてきて執権として北条氏が実権を握る。
しかし北条政子といい、北条氏はすごい。
自分の家の反映のために子どもや孫も切り捨てるとは並じゃない。

◯第五章 北条泰時と御成敗式目 武家政治の確立II
承久の乱で後鳥羽上皇を島流しにするなど、一般的にはとんでもない一家のはず。
その承久の乱の時に大将として参加した北条泰時もその例外ではないはずなのに泰時の評判はすこぶるいい。
それは当時の憲法ではカバーできていないため問題や紛争がたびたび起こっていた状況を改善すべく、「御成敗式目」を作り大岡裁きの如く「道理」が通るように整備をしていったから。

水曜日, 7月 06, 2011

逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎



続いて4巻

◯第一章 『古今和歌集』と六歌仙編
は特に感想なし..

◯第二章 良房と天皇家編 藤原摂関政治の興亡I
藤原氏の戦略は
天皇家に自分の娘を嫁がせて子を産ませ、天皇のおじいちゃん(外祖父)として実権を握る
というものだった。
が、これは男子が産まれないと成立しないためもろい戦略だった。
現に道長をピークに息子の頼通は天皇家に娘を嫁がせたものの子が出来ずに力が弱まっていく

◯第三章 『源氏物語』と菅原道真編 藤原摂関政治の興亡II
源氏物語の作者は藤原道長の侍女(あるいは男女の仲)であったのにも関わらずなぜ藤原氏のライバルにあたる源氏が藤原氏を押しのけて栄達していくというストーリーが許されたのか。許されたばかりではなく道長は紫式部のパトロンのように振舞ったのか。
これは道長の時代には決定的な権力差になっていた源氏に対する鎮魂の意味があったと筆者は推理する。
つまり同じく政治的に葬り去った道真のように、政治的に葬り去りかけている源氏に対する鎮魂であるのではないか、と推測。

◯第四章 「反逆者」平将門編 藤原摂関政治の興亡III
なぜ将門は乱を起こしたのか。
そもそも乱とは身分が下の人間が上の人間に対してしかけること。
武士は、その当時は辺境の地であった阪東(今の関東)を勢力図としていた。
平安の統治システムがすでに制度疲弊を起こしていて、武士が「一所懸命に」努力しても土地は藤原氏や朝廷の有利なシステムになっていたため阪東武士の親分的な存在であった将門が乱を起こした。
なぜ将門が「反乱者」「極悪人」と呼ばれているか。
それは戦いに負けたから。勝っていれば変革者/革命者として後世に名を残しただろうがそうはなれなかったから。

元々源氏と平氏の起こりはあまりに勢力を伸ばしてきた藤原氏に対して、天皇家が他の家を作り対抗しようとしたことによる。
天皇家は姓を持たないが、姓をつけて天皇家から臣籍降下させたのが賜姓源氏であり平氏。
なかでも武士で有名なのが清和天皇の時に起こった清和源氏。

◯第五章 院政と崇徳上皇編
平安時代も末期になると荒れる
その象徴が白河法皇
この法王は飛んでいて、自分の孫である鳥羽天皇の妻である藤原璋子との間に崇徳天皇という子を作ってしまう。
鳥羽天皇は、「あれは叔父だ」と気づいていたとのこと。
崇徳に罪はないものの、鳥羽としてはおもしろくないので崇徳の血が入っていない系統に継がれていく。
うとんじられる崇徳は保元の乱を起こし、結果破れて讃岐に流され軟禁される。
そのため崇徳が怨霊化したと考えられ
「日本国の大魔縁となり、皇を取って民とし民を皇となさん」
と言ったと伝えられる。
これは後世、北条氏が天皇を島流しにする、などで現実のものとなる。
また、崇徳という字ももともと区別のつかない「祟る」であったと筆者は推測。

保元の乱のころから、もう平氏対源氏とか単純なものではなく、利害関係で平氏も源氏とともに戦っていた。
ここには記載がないが、一族でもどちらか一方に着くと負けたときに一家滅亡するのを免れるためと思われる。

なお、保元の乱の勝利者、後白河天皇は兄である崇徳を軟禁したばかりでなく
源為義の処刑を実の息子である源義朝に命じた。
孫の奥さんに子どもを生ませるという倫理欠如、それに伴い内戦が起きてしまったばかりでなく、世界にも類を見ない子に親を殺させる命令をさせる支配者。
平安時代が終わりに近付いたのは制度疲弊が一番の原因であるものの、天皇家がハチャメチャを続け、結果武家が政権を握るようになった一因でもある。
父殺しを命じられた源義朝の息子が源頼朝として鎌倉幕府を開く。

◯第六章 武士はなぜ生まれたのか編
これは桓武天皇が軍隊無くしちゃったのが一番の決定打
で、武士が藤原氏だったり公家連中に抑圧されていたため

◯第七章 平清盛と平氏政権編
平清盛は朝廷での立ち回りも貿易の上でも優れていた。
平清盛は白河法皇の隠し子という説もある。
ただ一点の問題で革命家になれなかった。
それは、この時代に中心となりつつあった「武士のための政治」を描けなかったこと。
逆に頼朝はそれを描いたため革命家になることができた。
清盛は武家出身として武士から期待されていた。
が、「武士のための政治」を描けなかった清盛は、自分の娘を入内させ平家を公家化させていった。
それは
結局新しい藤原氏が現れただけか
と武士達は失望を感じ、その失望が頼朝というミコシが担がれるエネルギーとなっていく。

ここで出てくる木曽義仲も(一時的にしか)勝者ではなかった(および京での振る舞いがよくなかった)ため悪とされる。
もともとは頼朝とはいとこにあたり源義仲であったことすらも霞んでしまう。
同様にもし頼朝が勝者でなかったら、伊豆頼朝

★★★★

月曜日, 7月 04, 2011

逆説の日本史 (3)



副題が
平安建都と万葉集の謎
この時代は前提知識が乏しかったため逆説でもなんでもなく
そうなんだ
的な感じでした

◯第一章 「道鏡と称徳女帝編」
日本三大悪人と戦前教育では教えられてきた道鏡
不勉強ながら私は名前すら知らなかったけど、後の二人は平将門と足利尊氏
平将門は朝廷に、足利尊氏は後醍醐天皇に「反逆」したため戦前教育では悪人とされる
道鏡は
「称徳天皇にすりより愛人関係であったためそれを利用して皇位につこうとした」
ため悪人と教えられたそう。
また称徳天皇は一度退いてからまた帝位についたりなど権力を振るった人であったとされる。
が、筆者は状況などから推理し、朝鮮出兵などを考えていた藤原氏から国を護った功績が大きいとする。
また、年齢であったり状況であったりから愛人などではなく
「大陸ではアマテラスの子孫である天皇家出身以外も平等に皇帝になれる!大陸文化はすばらしい。日本もそうなるべきだ」
と天皇制から皇帝制に移行しようと考えた結果であったと推測する。
が、多大な力のあった藤原氏に阻まれてあえなく退けられた。
天皇制から皇帝制という変革をしようとするから後世で「男狂いで血筋でないものを皇位につけようとした」と言われる。
諡(おくりな)に徳がつくためこの天皇も暗殺などされ不幸な死を遂げた可能性が高いと筆者は読む。

この時代の藤原氏の権力は絶大。
天皇家に深く入り込んだというよりも天皇家そのもの。
娘ができれば天皇家に嫁がせ男子を産ませる、男なら主要職につかせる。
藤原氏の「藤の花」は行動原理のシンボルとなっている。
絡みつくものがないと成長できない。
つまり、この時代の天皇家=日本に絡みつく寄生虫
他の外国であればここまで権力をもつと必ず主を倒し自分が支配者となるが藤原氏は決してそうしない

◯第二章
桓武天皇と平安京編
桓武天皇といえば平安京遷都が有名
なぜ遷都したか?
天武・持統王朝は称徳天皇で断絶し、天智王朝が復活したから王朝跡地を捨てた

また、私は中国系がどうとか朝鮮系がどうとかで差別する人を個人的に理解出来ないのだけど、
称徳->光仁->桓武天皇と皇位が継がれるときに、桓武天皇が光仁と帰化人である高野新笠との間にできた子なので、差別議論自体が意味が無いと感じる。
いつ大陸から来たか、の違いだけで全員大陸からきてるんだから

また、桓武天皇と言えば、ケガレ仕事を嫌ったためか軍隊をなくしてしまう
これは国家の重要な機能の一つを放棄したということで驚くべきこと
そのために武士の台頭を許していくことになる
今でも憲法9条護憲バンザイ!平和憲法を世界に輸出しよう!という層が一定以上いるが、筆者のたとえでは
一度も強盗に襲われたことがない銀行がある
「なぜ一度も襲われなかったか?」の問いに
「ウチの銀行には絶対に武力では物事を解決しないという社則があり、みんながそれを守っているからです」
と答えたら、みんな???となる。
銀行が襲われないのは、たまたま運が良かったか、警備システムが優れていたか、のどちらかで平和主義とは関係がない
軍隊不要論はそれと同じぐらいおかしな議論

◯第三章
『万葉集』と言霊編
はごめんだけどあまり印象に残らず

金曜日, 7月 01, 2011

花神 (下巻)



司馬さんの分析では、革命に必要な役割は
最初が思想家
吉田松陰がこれにあたる。非業の死を遂げる。
次に戦略家があらわれる
高杉晋作や西郷隆盛が該当し、これも非業の死を遂げる
三番目に登場するのが技術者
技術とは科学技術であってもいいし、法制技術、軍事技術であってもいい
もちろん大村益次郎はこの技術者にあたる。

江戸に残った幕軍残党との上野戦争も、戦争になったら江戸が火事になってしまうのでそれを避けるために江戸に起きたそれまでの大きな火事を研究し、準備をした上で1日でかたをつけた。

「戦が足りない、国土を焦土と化してはじめて新しい日本が生まれる」
と考えていた西郷は、東北に残っていた幕軍討伐を益次郎に直訴するが
「もうては打ってあります。あなたがいかれるほどのものではありません。それに現地に着く頃にはもう終わっています」
と言われたため、職を辞し私人として薩摩で兵を募って東北に向かった。
が、ことごとく益次郎の言うとおり、西郷が着く頃には終わっていた。

この時代の英雄である西郷を足利尊氏のような人物としかていなかった。
後の西南戦争を予言し日本陸軍の整備をしつつ弟子の山田顕義に託した。

言葉足らずの面があったため理解されず、特に海江田信義とはうまく行かずに最後は暗殺され、日本は惜しい才能をなくしてしまう。