金曜日, 10月 09, 2015

家賃を2割下げる方法



家賃を2割下げる方法
こういうライフハック系というか生活の知恵的な本は好きで切羽詰まってなくても手にとって読む
不動産についての勉強にもなるしね

前半部分はくどいというか一般論でこの半分の半分ぐらいでよかった
オフィスなどの商業用賃料は地価に比例して下がっているのに家賃相場は下がっていない
ネットで情報武装して交渉して下げるべし、当然の権利だよ
それでも下げれないなら引っ越せばいいじゃん
東京23区以外なら激安物件ごろごろしてるし、23区だって供給>需要なんだからいい物件いくらでもあるよ
最近は礼金なしやフリーレントもあるから初期費用含めたって引っ越したほうがいい場合が多いんじゃない?
というのが著者の主張


後半部分は勉強になる良著
実際の賃下げ交渉のフローを紹介している
近隣の近い条件を調べ情報武装する
更新時期がベターだけどそうでなくてもいい
更新をした後でも、借地借家法で店子には家賃減額交渉をする権利がある
・土地建物に対する固定資産税などの税金の増減
・土地建物価格の上昇や低下、その他の経済事情の変動
・近隣にある同じような建物の家賃に比較して不相応
などが条件

もし貸主と
「◯年間は家賃の減額はしない」
という特約を交わしていても、借地借家法第32条1項で、そのような特約は無効になる。
供給>需要なので出られて困るのは貸主の方、なので強く交渉に当たること。
交渉のための例文も載っているので具体的にいくらにするべし、と記載する。20%ぐらいいくべし。

相手が一切応じない、または納得出来ない額でしか応じない場合、次は調停に移る
調停であれば申し立て手続きも費用も多くない、この記入見本もある。
手続きは
申立人と相手方の住所・氏名、家賃をいつからいくらにして欲しいか、不動産登記簿謄本、賃貸契約書コピーを添付して地元の簡易裁判所に提出
費用は印紙代と切手代の数千円程度
あとは数週間後の決まった日に相手方を呼び出してくれるのでその日に出頭するだけ
それでも正式な裁判所の手続きのため、調停で合意した内容は訴訟の判決と同じ効果を持つ
調停まで持ち込むと個人の貸主はそれだけで折れる可能性もある。
もし折れなくても調停委員は多くの場合店子の味方になる。

調停に出てこなかったり、貸主がかたくなに下げなければ、
「更新契約書にサインしない」
という手がある。
更新の契約書が送られてきても何もせず放置する。
更新契約書に判子を押さないと立ち退かされるのでは?と考えるのは誤解
「合意がないまま更新期限を迎えた時は、契約は従前の内容で自動更新される。
更新後はこれまで通りの家賃を払い続けなければならないが、更新手続きをしていないので更新料は払う必要が無い。
しかも、一度自動更新されると、それ以降は期間の定めのない契約とみなされ今後二度と更新料を払う必要がなくなる」
借地借家法第26条
これも店子有利の借地借家法で(そのぶん大多数の善良な店子にしわ寄せがいっているのだけど、、)
民法では契約期間過ぎれば契約終了となるが、賃貸契約で通常の商取引と同じにすると生活に著しい不都合が生じる恐れがある。
たとえば、貸主が
家賃2倍に上げるけどそれでも契約する?
とふっかけて来た場合などを防止する。
この場合2年でなく期間がなくなる「法定更新」となる。
現行の借地借家法では店子は家賃を払っている限りいつまでも居座ることが許されている。
そのとき更新料は払ってはいけない。
更新料は貸主が受け取るものではなく、管理会社が受け取るものなので、更新手続きが終わっていないのに不動産屋が更新手続きが終わっていないのに更新料だけを店子に請求してくることはまず考えられない。
契約書の提出を求められたら
「まだ家賃の減額についての話し合いが終わってない。
話し合いで合意できたらちゃんと契約書に判子押して提出する」
と伝える。
家賃の減額が認められるか、住み続ける限り更新料を払わなくて良くなるかのいずれか。

期間の定めのない契約へと変更になった場合、退去する3ヶ月前までに貸主に通告しなければいけなくなるのでその点は注意。

しかしいずれはこのようなノウハウ自体が意味がなくなるかも知れない。
供給>需要
なので大家たちの競争が激しく、礼金は消えつつあり、次に消えるのは不動産屋の収益源である更新料。
フリーレントも広まっているのでシンプルに引っ越してしまったほうが安くていい部屋に住めるのではないか、と著者。

月曜日, 10月 05, 2015

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か



一エンジニアとしても、この時代にいるものとしても、知っておくべき分野かなと思い、AI/人工知能について読む

例えば将棋の世界
少し前までは
いつか人間がAIに負ける時が来るだろう
と言われていたのに、AIは加速度的に強くなりすでにプロ棋士を負かす
今までAIは過去のプロ棋士の対戦から学習させていたが、それではもうこれ以上強くなれない、ということで自分自身と対戦させ、その学習からさらに強くなっていく

3章では主導権をアメリカIT企業に握られて日本はどうなっていくのか、を予想
日本は工場での組み立てなど、単目的の産業ロボット分野では明らかに強い
ただサービスロボットと言われる、次世代のロボット(介護であったり人ができない原発内での作業であったり)ではソフトの戦いになり、
そこはROS(ロボット技術のためのOS)含めアメリカ企業とアメリカの大学や研究機関に多くを握られてしまっている。
この分野でも主役はやはりグーグルを中心とした西海岸勢。
キープレイヤーとなり得たのに今では部品屋になってしまっているパソコンやスマホのようにアメリカに主要なところは握られて産業ロボットもサービスロボットに取って代わられると著者は予想
その時のインパクトはパソコンやスマホの比ではなく、日本の全産業がグーグルに握られる、と警鐘する

最後の4章でも考えさせられる
バッハとかショパンの曲を大量にインプットさせることにより、バッハやショパンっぽい曲をAIが作れる
観衆に聞かせてどれが心打たれたかと聞いてもまったく違いがない
しかし事前に
これは人が作りました
これはAIが作りました
とネタばらしすると、人が作った曲には心打たれ拍手するものの、AIが作ったと聞くとなんともいえない困惑に包まれる
人間の何処かに、最後に残された砦のクリエイティブな世界では機械には負けたくない、という意識があるからだろう
でもスティーブ・ジョブズなども言うように、クリエイティブというのは過去の経験や知識、多分野からの組み合わせにすぎない
作曲家だって無から曲を作るわけではなく、子供の頃から聞いてきた音楽の影響を多分に受ける
機械にはクリエイティブができないというのはこの点からもおかしい、と