金曜日, 11月 06, 2009

M&A新世紀 ターゲットはトヨタか、新日鐵か?



★★★★
お借りし読了
★3つにしようか4つにしようか迷いましたが勉強になった個所も少なからずあったので4
(出版社による帯文章や目次に興味をそそる能力に過度な期待を抱きすぎた)

参考になった点

・トヨタ銀行と呼ばれたのは今は昔、今は同業他社と比べても借入比率が高い
借入/売上 =トヨタ0.61、ホンダ0.46、日産0.54、スズキ0.23

・豊田家のDNAとして一代一業がある、チャレンジ精神の継承
佐吉氏->自動織機
喜一郎氏->トヨタ自動車
章一郎氏->トヨタハウスの住宅事業
本業に集中するために早めに切り出すべし
でないとマーケットの評価が低くなる=コングロマリッド・ディスカウント

・GM破綻の一番の要因は高い労働コスト
時給70ドル(=時給45+社保15+退職者の年金医療保険15)
に達していた

・任天堂ぐらいマーケットと会話ができていれば豊富な現預金を抱えていても買収されない
創業家山内氏の
水物のゲーム業界は10年に1度しか大ヒットはだせない
世界を驚かせるためのゲーム作りに集中するためのキャッシュ
という会話に、マーケットが納得している

・NTTドコモは買収カレンシーを現金としてバブル期に投資、最も失敗した日本企業
1.9兆投資して1.6兆の評価損
世界で技術標準を狙う、という説明だがマイナー出資なので無意味

・アメリカではビール会社の1~5位までが、インベブ、SABなどの新興国外資に買収された

・徒手空拳で鉄鋼会社を起こし、30年で世界一の鉄鋼会社となったミタル
ミッタル・スチール
ラクシュミー・ミッタル
親子

・いつか見る映画、ボーンアイデンティティ


読み終わってからの感想としては、最近は
中国をはじめとする新興国の猛烈な膨張
日本の停滞および猛烈な縮小
を肌身に感じるため、ハゲタカがよってきてくれるだけまだましだと思います。

新興国に注目されている方なので投資バイアスはかかっているでしょうが
下記のエントリーが最近では印象深かったです。

日本の家電メーカーが全部束になってかかってもサムスンに勝てない WSJ
ものすごい勢いでしぼむ国、日本
「心配すべきは日本であり、アメリカではない」