水曜日, 11月 21, 2012

この国のかたち〈4〉



この国のかたちを通して司馬さんは「統帥権」というものにこだわって筆を進めている

明治六年十月、辞表を出し国もとに帰った
理由は長州を中心に新政府の腐敗が目につき
これでは滅ぼした徳川家に申し訳がない
or
単なる私利私欲のための御一新であったなら戊辰戦争で犠牲になってきた将兵たちに申し訳がない
というもの

政府は維新最大の功労者の退隠に狼狽して、参議/近衛都督の辞表は受理したものの陸軍大将は「旧の如く」として受理せず、郷里に帰った西郷に対し陸軍大将の給金を送り続けた
西郷はその給料を私学校設立にあて、さらにはのちの西南戦争では陸軍大将の軍服を着て軍を進めた
当時の陸軍の主な薩摩人は西郷とともにやめていた点からも、統帥という立場からみれば極めて珍妙

本文は司馬ワールドが広すぎて興味の持ちにくい分野も多い
本文よりも本文後の対話?日本人の二十世紀、がおもしろい

でも司馬作品の中ではあまりオススメでないかも
★★