月曜日, 3月 01, 2010

社長島耕作 5



読む前にamazonで評価を見たところ、最低だったので
「課長時代から読んできたけどそろそろ潮時かしら」
と思いつつ読み始めた。

が、なかなかどうして、ここ最近の巻では一番勉強になった。
昔:企業戦士サラリーマンはかくあるべし
今:昨今のビジネスの話題を伝える、飽きさせないようにワイドショー的な内容も
という変遷か

前巻はロシアが主な舞台だったが今回は中国

作者が前書きで中国の強みについて3つ挙げている

1. 13億というマーケット
2. 世界が投資し、結果先端技術が集まってくる
3. 21世紀の主役産業(を支える)、レアメタル/レアアースが大量に埋蔵されていること

本巻では3を中心に、2にも触れている

民族問題として報道される、ウイグル自治区/チベット国境/モンゴル問題は
内モンゴル:大量のレアアース
チベット自治区:かん水リチウムで世界3位の埋蔵量
ウイグル自治区:ニオブ/タンタルなどの希少資源、天然ガス田
があり、中国が民族的にも異なるこれらの地域を手放すことは絶対に無い

日本は世界一のリチウム技術を持っているが、100%輸出に頼っている。
(70%チリ、30%カナダ)

都市鉱山(廃棄パソコン/携帯からのレアメタル取り出し)の実現はあと5~10年後

海水からリチウムを採り出すコストは現在の方法の20倍かかる。
10~20年後目処で海水からリチウムを取り出すコストが下がれば、
あらゆる分野でコストが下がりエネルギー革命が起きる。

また、民主党が公約した
CO2を90年比で25%削減
というのは、今まで努力してこなかったヨーロッパの90年比20%削減と
異なり、今まで削減努力をしてきた日本に取っては、乾いた雑巾を
しぼるようなものだと作者もいう。

ま、その頃には鳩山さんも辞めてるから、ワイドショー受けしそうな
かっこいいこといいたかったんでしょうな。

作者の理想の女性?の大町久美子はいい味を出してます。