月曜日, 8月 09, 2010

翔ぶが如く〈7〉



いよいよ西郷が立った
政府が西郷隆盛暗殺を本当に企画していたのかどうかわわからない
中原ら密偵を放ち探らせたところまでは事実であるという

著者は少し曖昧にしているものの
大久保利通自身は考えにくいが川路利良が画策したことはありえなくはない
という推論

そこは誰にもわからないものの、薩摩私学校が先に政府施設を襲撃するという行動に出る

桐野利秋篠原国幹のこの時代の西郷の左右を固める過激派ですらも驚き
なんと早まったことを
と考えるがこうなった以上は戦しかないと西郷に抑えられていた過激派が復活する
反対派や中立派も、普段極端に無口の篠原の
つまり死をおそれるのか?
という言葉に群衆がトランス状態に陥ってしまう

ちなみに篠原は天皇に軍事演習を褒められ、一説には「篠原に習うように」と言ったことから習志野という地名になったという逸話もあり、桐野と並び私学校からは人望があった

逆に、幕末に西郷が活躍していた時期に左右にいた西郷従道大山巌からは軽侮の目で見ていた

東京政府の誰もが、薩摩の私学校の暴発を抑えていたと思われていた時代の巨魁西郷は一言で去る
自分は、何もいうことはない
一同がその気であればそれでよいのである
自分はこの体を差し上げますから、あとはよいようにしてくだされ