日本人の根底にある考え方、言霊(コトダマ)、を論点とした良著
日本では例えばハイジャックにあったときにテレビでコメンテーターが
「ここで要求を認めたらいけない。人質はいるが強行策を取るべきだ。」
と言っただけで、またこの人の発言とは関係がなく被害者が出た場合には
「お前がそんなことをいうからこうなったんだ」という抗議が殺到する。
これが他の国であれば、現実とは無関係の一意見と受け止められる。
日本ではコトダマ思想が根付いていて自由な言論が難しいと説く。
また、穢れ(ケガレ)思想から三島由紀夫の割腹自殺の背景を解説する。
「自衛隊は自衛を目的としています」と言われるが、「侵略を目的として
います」と公言する軍隊は現代では存在しない。
諸外国では尊敬をされこそすれケガレた対象とは見られない軍隊。
それが日本ではいないほうがよい子のような扱いを受け人によっては後ろ
指さされる。そんな自衛隊に決起を呼びかけ本来受けるべき立場を取り戻
そうとクーデターを起こす。
それに隊員の誰一人賛同しないまま三島は割腹していく。
行動の方法に問題があって賛同しなかったという隊員も多かったと思われるが。