ウイグル自治区で起きている暴動で200人近い死者が出ていると報道されている。
これは中国政府の発表であり、漢民族を多く、ウイグル系民族を少なめに報道
しているため実態は1,000人を超す死者が出ているという報道もあり。
ウイグルについての知識が皆無であったのでこれを機会に調べてみた。
新疆ウイグル自治区
ウイグル
ウルムチ死者184人、漢族137人と新華社
中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計
もともと新疆という言葉自体が普段使わない単語であり、新しい土地/領土などの意味。
自治区は読んで時のごとく、自分たちで治めてよいという意味で言語やルールを指す。
様々な少数民族が存在し、
ウイグル族:45%:800万人ほど
漢民族 :41%
が主なところ。
ウイグル人はほぼ例外なくイスラム教を信仰している。
石油、天然ガスなどの資源が取れることがわかった。
そのため、中国は積極的に投資していて、50年前にはいなかった漢族が
ウイグル族と同じぐらいて漢族が企業の主要なポジションを占めている。
発端は広東省
報道が真実であれば、おもちゃ工場を解雇された漢人が、腹いせに
ウイグル人が漢人をレイプした
とデマ流した。これを事実と受けた漢民族がおもちゃ工場で働くウイグル人を
報道できないような暴行を加え殺害し、それにウイグル族が暴動を起こした。
胡錦濤国家主席は事の重要性から、参加予定だった主要国(G8)首脳会議(ラク
イラ・サミット)から急遽帰国。他にもモンゴルやチベットなど合わせて5つある
自治区に問題が飛び火すると取り返しのつかない事になるためと思われる。
核実験の記事等を見ると、報道が本当であれば広島/長崎以上の犠牲者にのぼる。
民族浄化とも取れる重大な事件であるのに諸外国は弱い抗議に留まっている。
この背景には
1.
9.11以降イスラム=悪というイメージがあるためウイグル=悪という偏見がある。
ただ、ウイグルが悪かどうかはこの状態になるとどちらがどうとはいえない。
・そもそも中国の支配を嫌って遊牧してきた民族であるという歴史的経緯
・資源を有する土地であり、投資を通じた支配等の日常的な経済的経緯
があるため、今回の問題だけで判断ができない。
2.
サブプライム以降、中国とアメリカのG2という認識が世界で広まっている。
世界中がアメリカと中国の政策頼みという情けない状態になっている。
さらに、長らく日本がアメリカ国債の一番の引き受け手であったが、それが
2008年に中国が抜き、中国がアメリカに対する一番の債権者となった。
そのため怖くて面と向かって中国批判をできる国がない。
という2点が大きくな要因としてある。