水曜日, 6月 16, 2010

翔ぶが如く〈1〉



竜馬がゆく坂の上の雲をつなぐ時代を描く全10巻の翔ぶが如く

この時代も興味があり以前手にしたが、全10巻ということで読み始めかねていた

二人の主人公西郷/大久保のうち、一巻では大久保の描写はほとんどない
始まりも二人へのスポットライトではなく、現代警察の基礎を作り日本警察の父と呼ばれている川路利良のフランス留学の描写からはじまる

西郷については歴史の教科書に出てくる程度の知識しかなかったが、本書の描写から哀れさ/危うさを内面に秘めた凶器(狂気)のような存在であったことがわかる

革命を成した後は、師である島津斉彬の後継久光から恩知らず呼ばわりされ、また日本全国の革命志士達の不満を受け止めきれず、常に死に場所を探していたその生き方に、方向性はともかく
多くの読者が「西郷がかわいそうだ」と共感し涙するに違いない

★★★★