月曜日, 11月 21, 2011
逆説の日本史〈10〉戦国覇王編
天才に憧れる男は多いため、私もご多分に漏れず信長については何冊か本を読んだ
なかでもやはり一番のオヌヌメは国盗り物語
この逆説の日本史〈10〉での新しい視点としては
20代から天下一統という目標を明確にしそれに対して執着し何度も危機を脱した点も常人ではない。
特に同盟を組んでいた浅井家が寝返った時と、信長包囲網を紐解いてひとつの勢力ずつ片付けていったところは圧巻
浅井家の裏切りも定説では朝倉家ともともと何代も深い関係であったという説が優勢だが、そもそも朝倉家との仲が深ければ信長の妹を妻になど取らずに朝倉家から取るはず、と分析。
それよりもロボットでいればあやつられるまま延命していたのになまじ無能でないばかりにいろいろ画策をした足利義昭の工作であったと見る。
後世では信長視点で見るので「裏切った」になるが、武家の棟梁である将軍をないがしろにしている信長こそ当時の常識で言えば他家から打たれてもやむを得ない変革者だった。つまり浅井家は裏切りではなく当時の常識人としては当然のことをしたまでではないか、という指摘。
信長は無神論者とよく言われるが、無神論者なのではなく
父親の死の床で祈祷師たちに祈らせるも結局他界したこと
など複数のエピソードを元に、基本的には超自然的なものを認め信心深いものの、自分が実証した結果それがインチキだとわかれば容赦無く排斥する、というのが筆者の分析
安土城
五十三次
また、信長暗殺については
秀吉説や信長説は、その後の天下取りまでが遠く少し無理があるのでは?という筆者の感想
直近で一番得をした長宗我部説
=>きっかけにはなってもより黒幕がいるのでは?
将来的に天皇家を有名無実化もしくは亡きものする可能性があるため朝廷説
海外派兵を視野に入れていた信長に対するイエズス会説
足利義昭説
=>
結局筆者としては司馬さんが言うように
倒さんがために倒したという極めて発作性の強い行動
で黒幕はいなかったのではないか?と見る。
内容としては興味深かったけど前巻の途中から信長だったので&他者への批判にさかれているページも少なくないため
★★★★