司馬遼太郎
西郷隆盛を主役とした征韓論をめぐる攻防。
西郷の遣韓大使派遣は三条実美が押し切られいったん可決される。
が、岩倉具視と大久保利通を中心とする征韓反対派が巻き返し西郷はしだいに追い詰められていく。
征韓論反対派は、この明治初期に世の中に対して唯一英雄的な大人気をもつ西郷が追いつめられた結果、薩摩にて兵を起こし政府を転覆しにこないよう、地雷を処理するかの如く慎重に行う。
桐野利秋(中村半次郎)も多く描写される
西郷隆盛自身も、負けるとわかっていた武士の集団自決とも言える西南戦争の動機について「半次郎どんのため」だったと言われている。
また、西郷隆盛の弟である西郷従道と従弟の大山巌が、「兄は桐野などと付き合うようになってからおかしくなった」と後々になっても敬遠していた人物
もともとは西郷が今日にいた時の用心棒。彼の思いは、
この男は、天寿を全うするなどとは全く考えていない。
「自分は死ぬべき時と場所に死ぬことができぬやつだ。西郷老人のみが自分に死所をみつけてくれる」
という性格
★★★