金曜日, 5月 06, 2011
「世界地図」の切り取り方
以前購入時に面白かったので取っておいたことを覚えている
整理のため再読
普段私たちが見る世界地図は当たり前だが「日本が作った世界地図」であって日本以外ではその国を中心とした地図が用いられている
例えば米露は日本地図では遠く見えるが、北極点を中心とする隣国であり、両者の距離は日本人が思うよりもずっと近い
地政学で考えてみると、第二次大戦の敗因は
日本は海洋国家(シーパワー)であった日本が中国大陸の内乱に過剰介入し国力を消費し、アメリカとの戦争に突入してしまったこと
当時の世界の3大シーパワーは日英米の3国だったが、日本が孤立化して英米の2大シーパワーを連合させてしまったこと
大陸国家ドイツや半島国家イタリアとの同盟は距離的隔たりからほとんど役に立たなかったこと
に集約される。
もともと満州は万里の長城の外、ということからも漢民族の領地ではなかったし満州までがせいぜいだった。
朝鮮や満州を超えてバッファゾーンを拡大しようとしたため兵站も伸びてしまった。
また、日本は
大陸と対峙する島国である
という点でイギリスとの類似点が多く見られる。
地形的には英国はアメリカからみるとユーロ圏へのジャンピングボードであるし、日本はアジアへのジャンピングボード。
しかしイギリスはフランスをはじめとして近代まで大陸と多くの文明の交流があったためヨーロッパ文明に近い。
例えばグレートブリテンというのは、「Brittanyフランスのブルターニュ地方よりは大きい」という意味。
かたや日本は大陸とは交流が薄く独自の文化を形成してきた。そのため英国とユーロとの関係と日本とアジアの関係は異なる。
米露の冷戦は民主主義と共産主義のイデオロギーの戦いと見られていたが、常に拡大を目指すシーパワーとランドパワーが必然的にぶつかったために起こった。イデオロギーは後付。
帝国の定義は異文化異人種をまたがっての統治、その意味でアメリカは紛れもない帝国。
ただし、ローマ帝国であったり大英帝国とは異なりアメリカは民主主義であったり、自分が善だと思う「システム」での統治を志向している。