金曜日, 5月 13, 2011

楽天大学学長が教える「ビジネス頭」の磨き方



楽天大学を通して楽天市場の出店者30,000社と関わってきた著者
前回の続き

アイデアとは既存のものと既存のものの新しい組み合わせ
発想の視点を磨くためにリバースエンジニアリングを行うと良いウォーミングアップになる
写メール = 携帯電話 × カメラ × メール
楽天市場 = インターネット × 楽市楽座
プリクラ = スピード写真 × 落書き × シール
お財布ケータイ = 電子マネー × 携帯電話

うどん屋とふとん屋の化学反応の例
・うどん屋
メールアドレス保有数数万件(購入者率1~2割)
転換率10%台、リピートが多い
客単価は3,000円前後
・ふとん屋
メールアドレス保有数2,000件(ほぼ全員が購入者)
転換率3%程度、リピート少ない
客単価7~8,000円

それぞれの数字をみておどろき、
うどん「ふとんでも、絶対メルマガやったほうがいいよ!」
ふとん「うどんも、検索エンジン対策はしっかりやっておいたほうがいいよ!」
両者が
「やれることは全部やっていると思っていた自分が全然何も出来ていないことがわかった」
と興奮して相乗効果を出した


風が吹けば桶屋が儲かる

風が吹けば自分が儲かる
不景気になったら自分が儲かる
変化の激しい時代になったら自分が儲かる
というつながりストーリーを企画設計し描けているビジネスは強い

広告->商品の認知度アップ->売上アップ
のつながりストーリーでは弱い

広告->アクセス増->ウチの店の丁寧な接客を受ける人が増える->リピートしてくれるお客さんやクチコミしてくれるお客さんが増える->長くおつきあいを続けるうちにさらにお客さんとの距離が縮まる->「あんたが勧めるなら買うよ」というファンのお客さんが増える->仕事が楽しいからがんばれる、スタッフも楽しいからがんばれるし誰も辞めたりしない->お客さんに喜んでもらうアイデアが社内のあちこちからどんどん出てくる->お客さんもスタッフもどんどん増えていく->売上アップ
まで途中経過を描く

つながりストーリーの結果、理念に昇華することもある
日本中の車をキレイにした
という理念を持っていた「洗車の王国」
「ウチの主人は車が好きすぎてお金がかかってしょうがない!!ただチョットうれしいことがあります。最近、運転が丁寧になった気がします。これは洗車のおかげかな?」
というメールをもらい衝撃を受ける
理念も
「日本中の車をキレイにしたい」から「世界中の交通事故をなくしたい」にステージアップした
・自分の企画や商品を使った相手が
・どんなストーリー展開で
・どんなふうにハッピーになるのか
というつながりストーリー(因果関係)をつくる

とんがりを磨く
とんがり磨きには2つのポイントがある
・強みを活かすこと
・集中する(捨てる)こと
自分が好きで得意なことへ集中することがとんがり磨きになる
学校教育では
国語が90点数学が30点なら、国語を10点伸ばすよりも数学を20点伸ばすことを考える
が、ビジネスは100点満点ではない、1億点満点もある
弱みを克服するのではなく、強みを活かす

※守破離
・守
師匠や流派の型を守り、型どおりにコピーする
・破
型を破って、自分の強みを活かす形にアレンジする
・離
型から離れて、自分流(オリジナル)の型をクリエイトする
例えば手塚治虫は20歳40歳60歳でファウストをモチーフに3度書いた
「ファウスト」はゲーテの作品を漫画にしたコピー
「百物語」はゲーテ作品の「型」を抽出して使いつつも舞台を戦国時代の日本とし登場人物もアレンジしている、日本版ファウスト
「ネオ・ファウスト」になると完全な手塚作品、型は感じられるがテーマやメッセージは手塚さんの伝えたいことで肉付けされている
「離への道」の奥深さ

※砂山の法則
公園の砂場で遊んでいるとどの親子連れの作る砂山もだいたいみな同じ大きさ、標高30センチくらい
山の頂上に砂を押しつけるような感じで高くするが、一瞬高くなってもすぐ崩れ結局30センチで終わる
よくみると裾野もみんな30センチくらいの円形
でかい山を作るには??
裾野が1mくらいの砂を積んだところ、他の山の2倍位の高さになった
・山頂に砂を押しつけて積んでいくと、一瞬、記録を更新するけれどすぐ崩れる
・裾野を広げてから山頂に砂を積むと、時間がかかるけれど崩れないし、高い山になる
結果、高い山にすると子どもが集まってくる、とんがり(圧倒的価値)が人を引き寄せる