月曜日, 9月 03, 2012

坂の上の雲〈6〉


もう主だった作品は全部読んでしまい、最後の司馬作品なのでちょっとずつ...

この巻もおもしろいけど、とくに「大諜報」、主役は
明石元二郎

Wikipediaがあってるかわからないけど
明石(当時の階級は大佐)は日露戦争中に、当時の国家予算は2億3,000万円程であった中、山縣有朋の英断により参謀本部から当時の金額で100万円(今の価値では400億円以上)を工作資金として支給されロシア革命支援工作を画策した。
ゴイスー
日露戦争の勝因のひとつは明石にある
とも言われている。
ただし、その後の日露戦争の記録には貢献者として出てこない
この稿を読むことで、ロシアの歴史、フィンランドやポーランドを属国にしていた関係もよくわかる
また、日露での日本の勝因が専制末期の制度疲弊ということもわかる

乃木希典のエピソードなどもおもしろい
常に悲劇がつきまとい、彼そのものが悲劇が似合った
乃木軍の旅順での入城式
戦没者の招魂祭が行われ、乃木は飛雪のなかに立ち、みずから起草した祭文を朗読した
参列した士卒はことごとく泣き、外国の観戦武官や新聞特派員も、祭文のことばもわからないながら目をぬぐった
それを見物していた中国人さえ涙をながしたのは異様な光景だった
乃木は容姿といい人格的ふんいきと言い、外国人にさえ一種尋常でない感動をあたえるなにかをもっていた
初対面の外国人に対してさえ神秘的な衝撃をあたえるところがあったよう