火曜日, 5月 05, 2009

深い河



男もすなる遠藤周作、無宗教である私も読んでみんと以前購入
整理のために、北京のオススメホテルの中で読了

「玉ねぎ」を通して会話をする美津子とピエロ(イエス)の象徴である
大津を中心に描かれる人間交差点

満州での子供時代にかわいがっていた犬、クロの言葉
「仕方ないですよ、生きるってそんなもんですよ」
から動物と会話ができるようになった絵本作家沼田

わたくし、必ず、生まれかわるから、この世界の何処かに。
探して、わたくしをみつけて、約束よ、約束よ。
と、がんで死んでいった妻との約束を探す磯辺

戦時中、戦友を生かすため自分が人肉を食べ、その後罪の意識から
あれた生活を送り死んでいった塚田、その戦友である木口

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「彼女(チャームンダー)の乳房はもう老婆のように萎びています。でもその萎びた乳房から乳を出して、並んでいる子供たちに与えています。彼女の右足はハンセン氏病のため、ただれているのがわかりますか。腹部も飢えでへこみにへこみ、しかもそこには蠍(さそり)が噛みついているでしょう。彼女はそんな病苦や痛みに耐えながらも、萎びた乳房から人間に乳を与えているんです」
「彼女は・・・・・・印度人の苦しみのすべてを表しているんです。長い間、印度人が味わわねばならなかった病苦や死や飢えがこの像に出てます。長い間、彼等が苦しんできたすべての病気にこの女神はかかっています。コブラや蠍の毒にも耐えています。それなのに彼女は・・・・・喘ぎながら、萎びた乳房で乳を人間に与えている。これが印度です。」
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チャームンダー、およびガンジス河に魅せられ、インド観光の添乗員をする江波


彼は醜く、威厳もない。みじめで、みすぼらしい
人は彼を蔑み、見捨てた
忌み嫌われる者のように、彼は手で顔を覆って人々に侮られる
まことに彼は我々の病を負い
我々の悲しみを担った

Wikipedia:深い河