土曜日, 5月 16, 2009
自宅は会社に買ってもらえ!―社長が会社を使って資産を残す方法
タイトルは刺激的ですが内容はまじめな本です。
納めるべきものは納めた上で、ルールを守り節税しましょう、というお話です。
架空の人物である、「脱サラして焼き鳥をはじめる織田さん」をアドバイスしな
がら進む物語。(「脱」という漢字はどこか悪い響きのある感じですね...)
2年間は消費税を納めることが免除される期間は個人事業主でもあり、それを有効
活用することを勧める。
つまり脱サラ直後は会社を設立せず2年は個人事業主をすべしと勧める。
売上が1000万以下であれば個人事業主のままでよいが、個人/法人は別とみなされ
るため、その期間を有効に使うこと。
免税事業者は、お客様から消費税を取るだけで納めなくてよいのか?という問に対して
免税事業者は支払はしている。そのため預かった消費税をすべて納入していない
というわけではなく、預かった消費税から仕入れなどで支払った残り、「益税」
は所得の一部とみなされるため、その分黒字が増え所得税の納税が増え調整される。
また、「どうせ税金取られるなら経費で使ってしまえ」という考えでは結局手取り
は少なくなるので、必要な経費であれば正しいが、使うことが目的であればやめ
たほうがよいと指摘。
会社にすると、給与所得控除が使えることなどは一般の書籍でもよく触れられている。
法人にした後、帳簿などをつけていると「会社の利益」にはこだわるが、
会社の利益 - 損金不算入 + 損金算入 + 益金算入 - 益金不算入 = 法人税の所得金額
となることに注意
益金不算入:法人税の還付金、資産の評価益
損金不算入:交際費、罰金、役員賞与、法人税等、原価償却超過額等
益金算入:未計上の引当金の取り崩し、無償資産の譲渡
損金算入:納税充当金から支出した事業税等、青色申告繰越欠損金等
役員賞与、とあるが、役員給与も毎月一定額でない場合には損金不算入となるので注意。
また、同額であったとしても、役員給与が1600万を超える場合は
オーナー会社(特殊支配同族会社)の役員給与の損金不算入にあたるのでこの点も注意。
オーナー会社は桁外れの給与賞与を配偶者に払う場合も損金不算入になることもある。
同じ財産でも"モノは会社に"、"カネは個人に"を奨励する。
車/ゴルフ・スポーツクラブ会員/家/土地/(場合によりお金)は、課税前に支払が
できるのでなるべく法人に持たせるのが基本。維持費も経費で落とせるため。
車を買うなら中古(償却期間を短くできるため)。
最後に会社をうまく使う10か条が挙げられている
・社内ルールを作って、慶弔見舞金/出張費などは会社の経費とする
・身内に甘えず、従業員として給与を支払う
・社長の生命保険は会社で入る
・維持費のかかるクルマなどは会社で保有する
・ゴルフクラブやスポーツクラブは(多少高くても)法人会員になる
・不動産は会社で保有する
・会社所有の不動産は社宅として活用する
・大きな買い物をするときは消費税のことも考える
・簡易課税か原則課税か慎重に選択する
・会社の株式を贈与する等、相続税の生前対策をする