月曜日, 8月 01, 2011
韃靼疾風録〈上〉
これは以前一緒に働いていた、司馬遼太郎好きが高じて自分の息子に遼太郎とつけちゃった方に
「司馬さんのなかでどれが一番好きですか?」
と聞いたら勧められた本書、これは司馬さんの最後の小説。
女真人のアビアを送り届ける平戸武士の庄助
女真はのちの満州、愛新覚羅の起こり
日本では満州と近代つながりが強かったため愛新覚羅は有名だが、その建国者のヌルハチやホンタイジはあまり知られていない。
当然私も本書を読むまでしらなんだ。
漢民族である明は17世紀当時億を超える人口がいたのに対し、女真族は50万人程度。
位置としては朝鮮半島の北方あたり。
元ほど遊牧でないものの定住して耕牧することは苦手。
朝鮮人参と貂を明に売って穀物や衣服に変える。
漢民族は自分たちが華(文化)であるとして女真や蒙古などは「東夷とうい、西戎せいじゅう、南蛮なんばん、北狄ほくてき」であるとして文化でないとみなしていた。
そんななかで女真族の文化?としては
昔のマンガに出てきたラーメンマンのような髪型。
それが清が力を持つようになってから漢民族始め他の民族も行うようになった。
これは本文中にも出てくるが、マゲを結う日本とどこを剃るかの違いだけであまり大差はないかもしれない。
日本や女真および他の文化も否定するつもりはないのだけど、なんで生きるのも大変な時代に毎日手入れが必要になってしまうような髪型にみんながするんだろう。
そんなこといいだしたらだけど、日本全部の男子が毎朝月代を剃るのはGDPの無駄遣いだと思う。
あと女真族発で有名な文化はチャイナドレス、旗袍。これも清時代から浸透し「中国発」のようになった。
いくら当時すでに制度疲弊していたとはいえ、この少数民族がいかにして明という帝国を破り新帝国を築いていくのか。
それは下巻のお楽しみ。。
★★★★